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2023.09.07 13:00

内閣府が始動、子育て支援プロジェクト「ママもまんなか」とは

谷本 有香

内閣府SIP 公式写真より

内閣府の戦略的イノベーションプログラム(SIP)「ママもまんなか」子育て支援プロジェクトがスタート。これは、子育て世代や女性の幸福度向上を目的として、産官学が一体となって、全国の12の自治体と連携して行われる取り組み。筑波大学を中核として行なわれた研究結果と、公式アンバサダーによる記者会見が8月28日、筑波大学東京キャンパスで開催された。


公式アンバサダーに就任したのは、Forbes JAPAN 執行役員 Web編集長の谷本有香と、日経xwoman 元総編集長の羽生祥子。共に働くママとして、子育てと仕事を両立。輝き続ける女性のパイオニアとしてキャリアを重ねてきた2人の実体験も交えながら、冒頭のトークセッションからスタートした。

谷本有香(以下、谷本):子育てをめぐっては、これまでライフワークバランスや地域に於ける教育格差など、様々な問題が社会テーマとなってきました。今回発足した「ママもまんなか」プロジェクトでは、これまで公の場で光の当たらなかったママにスポットを当てた視点がとてもいいな、と賛同させていただきました。ママが元気になる事で、社会全体がウェルビーイングの方向へと循環していく取り組みに、期待を寄せています。

羽生祥子(以下、羽生):私も、共に中学生と高校生の親であり、幼少期の子育ては終わった世代ですが、これから5年間かけて行われるこのプロジェクトによって、ママと社会がどのように変化していくかを、期待と関心を寄せております。

谷本:自分自身の子育てを振り返ってみますと、幼い子供を抱えて働いていた子育て中には、あれが足りない、これがあったらいいのに、なんて思う事は沢山あったのですが、子育て時期が過ぎ去ってしまうと、日々の仕事の忙しさを優先させて、社会的なテーマとして取り組む事がなかったと自省しています。このプロジェクトを通して、ひとりひとりが何をしていけばいいのか?と、自分ごとのヒントを得られればいいな、と思います。

羽生:それでは、プログラムディレクターを務める筑波大学の久野譜也教授から、「包摂性社会の再構築と少子化対策としての健康問題の重要性」の研究に関するご解説をお願いいたします。

(内閣府SIP 公式写真より)

(内閣府SIP 公式写真より)

ママと社会のウェルビーイングの実現へ!

今回のプロジェクトのプログラムディレクターを務める久野譜也は、筑波大学・人間総合科学学術院の教授。スポーツウェルネス学学位プログラムリーダーにして、スマートウェルネスシティ政策開発研究センター長も歴任している。2002年、健康増進分野に於いて、日本初の大学発VB「つくばウエルネスリサーチ」を設立するなど、ウェルネス分野に特化した研究の第一人者である。

(内閣府SIP 公式写真より)

(内閣府SIP 公式写真より)


久野譜也(以下、久野):子育て問題は、お子さん、ママ、高齢者まで、あらゆる世代に関係してくる課題です。この「ママもまんなか」プロジェクトは、子育てママに対して社会生活へのポジティブな参加を促して、サポートする仕組みを構築して社会実装する事がゴールです。今年4月からスタートしまして、5年間のプロジェクト期間を設けています。私自身、内閣府からプログラムディレクターの任命を受けて研究を始めたのですが、先ず「包摂性」というワードが気になりました。一般的に理解しにくいな、と考えまして「寛容性、自律性」と表現する事にしたのです。

本課題のミッションは、私自身のライフワークともなっているウェルビーイングの実現。それは、ひとりひとりの幸せを意味します。つまり、子育て世代の女性の幸福度を上げて、子育てが楽しいと思える社会に導くサポートをする事です。

(内閣府SIP 公式写真より)

(内閣府SIP 公式写真より)

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取材・文=中村麻美

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