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2023.09.04 17:00

「シュガーヒル」デザイナーの林が服づくりに求めるリアリティとは

シュガーヒルのルーツ

「当時の彼女がおしゃれで一緒に肩を並べて歩きたいと思った」。高校生の時の純粋な気持ちが、服に興味を持つきっかけとなり、高校時代から服作りを始めた。文化学園大学の舞台衣装科に入学、裁縫や刺繍などを通して服作りの技術を学びながら、ダブルスクールで山縣良和が主宰するファッション私塾「coconogacco(ここのがっこう)」でデザインの手法や考え方も身につけた。

その後、「自分が着るメンズウェアを学びたい」と、ニューヨーク州立ファッション工科大学(FIT)へ入学。メンズウェアの歴史やパターンメイキングといったデザイナーとしてのスキルからファッションビジネスの知識などを学び、在学中の2016年に「シュガーヒル」を立ち上げた。

ブランド名は当時住んでいたニューヨークのシュガーヒル地区から名付けた。ミリタリーやワークウェアを多く手掛ける理由も、ニューヨークでの経験がベースにある。「学生で時間があるなら手伝ってほしいと言われて飛び込んでいった先が、軍需工場だったんです。軍事製品を作る工場の社長が立ち上げたブランドで、防弾チョッキを縫っているおばあさんたちが隣にいるような場所で、僕らはパターンをひいていました」と微笑む。


シュガーヒルを世界へ

立ち上げから今年で8年目を迎える。「日本だからこそできる生地・製法にこだわり、ここでしか作れないものを世界に届ける」。業績は売り上げ高前年比2割増と成長を続け「今後は海外展開を強化して、10年目をめどに海外事業の売り上げを国内と同じ規模にする」と目標を掲げる。

2022年には、HAYASHI DESIGN OFFICEを設立。「自身のブランドだけでなく、外からもデザインの依頼を受けられるデザインオフィスとして仕事の幅を広げたい」と意気込み「中長期的には、人を育て、社内のチームを強化しながら、産地やサプライヤーを支え、産業の振興につながるような仕事をしていきたい」と業界の新しいリーダーとしての資質にも期待がかかる。


はやし・りくや◎1995年生まれ。文化学園大学、coconogaccoを経て、ニューヨーク州立ファッション工科大学(FIT)を修了。その後、武蔵野美術大学を2019年に首席卒業。FIT在学中にブランド設立。

文=松下久美 編集=川上みなみ ヘアメイク=KUNIO Kataoka(AVGVST)

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