ハロッズのマイケル・ウォード総支配人は、会員制クラブについて「上海で唯一無二の提案」と断言。「会員になればワールドクラスの食事や酒を同好の士と楽しめるだけでなく、ハロッズならではの国際的なライフスタイルやコンシェルジュ・サービスを利用できる。一人ひとりに比類ない体験を提供する」と語った。
世界経済が低迷し、ほとんどの地域ではラグジュアリー部門の消費が減少。にもかかわらず中国人の消費は復活し、2023年には多くの高級ブランドで売り上げを2桁成長させる要因となった。ハロッズで国際ビジネス開発・コミュニケーション担当ディレクターを務めるサラ・マイラーによると、6月にはロンドン・ナイツブリッジの本店だけで中国人客の売り上げが17%増加し、中国市場の継続的な重要性を再確認したという。
マイラーは、会員制クラブの設立はナイツブリッジを訪れなくともハロッズとつながっていたいという中国人顧客の要望に応えたものだと説明。「上海に初の会員制クラブを開くと決めたのは、中国のラグジュアリー市場に対しハロッズが抱き続けている信頼の証だ。この10年間、ロンドンと中国で中国人顧客との関わりを深め、結びつきを強めてきた。オンラインショッピングだけでは不十分だった。中国人顧客が好む『ハロッズ体験』を革新的な方法で中国に届けたかった」と述べた。
ハロッズにとって世界初の試みであるザ・レジデンスは、招待制のプライベートショッピングのコンセプトから発展したものだという。こうしたシステムは英国文化の一部だが、世界ではめったにお目にかかれない。ハロッズの新しい会員制クラブは、ラグジュアリー業界に波乱を巻き起こし、追随する動きを生みそうだ。