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2023.08.30 16:00

効率だけではない、セールスイネーブルメントがもたらす真価とは

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DXの進展に伴い、営業活動に必要な情報を集約し戦略を最適化するSFA(セールスフォースオートメーション)の重要性が高まっている。2023年5月、オリックスはビジネス書類の電子保管サービス「PATPOST」の提供を開始。この新規事業の営業組織を強化するためのセールスイネーブルメントツールとして、20年に創業したamptalk(アンプトーク)の商談分析ツール「アンプトーク」を導入した。複数の類似ツールがあるなか、なぜ同社のサービスに注目したのか。

オリックス 法人営業本部 デジタル戦略推進室 プロジェクトマネージャーの石原 亨と、amptalk 代表取締役社長 猪瀬竜馬に、セールスイネーブルメントの必要性について聞いた。


石原 亨(以下、石原)はオリックス初のSaaS 事業となる「PATPOST」のリリースに向け、セールス体制を新しく立ち上げる必要があった。そんなとき目にしたのが、オンライン商談を自動書き起こし・解析をするセールスイネーブルメントツール「アンプトーク」だ。石原はオンライン商談を依頼。最初に興味を惹かれたのはサービスの優位性よりamptalkのセールス自体だったと語る。

石原とともにオリックスにおけるセールス体制の構築に並走したamptalk 代表取締役社長 の猪瀬竜馬(以下、猪瀬)。2人の話から、スキル強化や効率化だけではない、セールスイネーブルメントツールがもたらす付加価値が見えてきた。

新しいインサイドセールス構築への挑戦

オリックスが提供を開始した「PATPOST」は、独自のAI-OCR※技術により、高い精度で文字をテキストデータに変換。加えて多岐にわたる書類をシステム上にアップロードするだけで、取引先や取引金額、取引日などの項目を自動でデータ化・検索できるようにするビジネス書類電子保管サービスだ。
※ Optical Character Recognition。活字や手書き文字などを画像データとして取り込み、編集可能なテキストデータに変換する技術。

──まずはオリックスにおける新規事業への取り組みの背景と、セールス体制で抱えていた課題について教えていただけますか。

石原:オリックスでは2年ほど前に、お客様とデジタルでもつながるビジネスを新たに作ることをミッションとしたデジタル戦略推進室を設立しました。これまで当社は50年以上金融サービスを軸に多角的に事業展開するとともに、全国に支店を持ち、直接お客様に向き合って仕事をしてまいりました。しかしお客様も世代交代を迎え、若い方々と接する機会が増える一方で、オンラインやアプリなどコミュニケーションの取り方も変化してきました。こうした状況を受け、我々もリアルな接点だけでなく、改めてデジタルでお客様とつながるようなサービスを作っていきたいという思いから発足した部署になります。そして今回ローンチしたサービスが「PATPOST」です。

「PATPOST」のローンチにあたり、年間3,000件のオンライン商談を実施することになりました。そこで一番の課題となったのがオンライン商談の内容分析(音声認識)の効率化です。面談自体もそうですが、PDCA(業務管理における継続的な改善方法)の分析をいかに効率的に行っていくか。やはり人力だけでは限界があると感じていました。

──「アンプトーク」はあらゆるコミュニケーションツールと連携し、オンライン商談や通話を自動で書き起こし、要約や解析が行えるほか、Salesforceに自動出力することで、オンライン商談の自動化・可視化を実現するツールで、ローンチ当初からプロダクトの完成度が高いと投資家から注目を集めていました。開発に至るまでの経緯を伺えますか。

猪瀬:amptalkを設立する以前、私は営業職についていました。そのとき、営業において2つ嫌だなと思っていたことがありまして。一つはいろいろな人がくれるアドバイスに矛盾があること。もう一つは営業ツールに無意味な情報を入力すること。そもそも営業の正解が導けていないのに、何を入力すればいいのか、その時間ももったいないと思うことがありました。

そんななかアメリカで仕事をすることになり、そこで触れたセールス体制に衝撃を受けました。国土が広いアメリカでは、対面ではなくオンラインでの営業などが主流であるということはもちろんですが、あらゆる現場の生産性を上げるための自動化が進んでいました。

帰国後、改めて営業で成果を出せている人とそうでない人の差はなんだろうと考えたとき、パワースキルとなるのは「会話」だということに辿り着きました。そこで、アメリカで学んだシステムと、当時嫌だと思っていたことを解消できるものを作りたいと起業を決意し、「アンプトーク」の開発に乗り出しました。
 
amptalk 代表取締役社長 猪瀬竜馬

amptalk 代表取締役社長 猪瀬竜馬


──現在はさまざまな類似サービスがあるなかで、オリックスがアンプトークを導入した理由を伺えますか。

石原:今回我々がスタートさせた新規事業では、基本的に取引先などとのオンライン商談でクロージングまで行うことを目標としていました。新型コロナウイルス感染症の影響もありオンライン商談自体は行うようにはなりましたが、元々ノウハウがあるわけではない。そこでオンラインに特化したシステムを導入することになりました。類似サービスも検討しましたが、まずamptalkさんのセールス体制そのものに惹かれた、というのが「アンプトーク」の導入を決めた最大の理由ですね。一言でいうと、とても気持ちのよい初回商談が印象的でした。

サービスのすばらしさはもちろんですが、我々の新規事業ビジネス全体を考え、抱えている課題が何かを一緒になって考えていただけました。その後、丁寧なサポートのもと試験導入を行い、実際の利用イメージを固めることができました。

猪瀬:当社のお客様の場合、営業活動の中で「ここを改善したい」などの具体的なご相談を受けることからお付き合いしていくことが多いのですが、オリックス様の場合はオンラインでのセールス体制を立ち上げる段階で導入を検討いただきました。業務内容などを伺っていくなかで、我々の経験をもとに事前に予測される障壁をどう乗り越えていくかといったことを一緒に考えながら並走することができました。

我々はバリューの一つに、学び、吸収し挑戦することで、社内の営業や開発もオペレーションを皆が真似したくなるように、プライドを持ってやろうという「BE THE ROLE MODEL」を掲げています。そしてもう一つが「BLAMELESS」。これはミスが起きたら人のせいではなくシステムのせい。問題があれば仕組みで解決しようというものですが、例えば売り上げにバラつきがあったとき、その差分を能力ではなく仕組みで解決していこうと。この2つのバリューがオリックス様に伝わったのだとすると、とてもうれしいですね。

石原:お客様のニーズにマッチできるオンライン商談を考えたとき、経験値を持っているamptalkさんからのご提案は非常にありがたかったですね。当社は50年以上の歴史を持っていますが、今回の新規事業では一からオンラインに適した新しいセールス体制を作りたいと考えていました。オンライン商談を行う前の事前準備として何が必要なのかなどのアドバイスをいただけたのは心強かったですし、我々も同じようなセールス体制を構築したいと思えたことは、大きな気づきになりました。

SFAの導入が企業風土にもインパクトを与える

──オリックスのような大企業ですと、セキュリティ面などから新しいサービスの導入は容易ではないのではと想像されますが、ハードルは高くはなかったのでしょうか。

石原:商談情報の取得が個人情報の取得に当たらないか、他社サービスと連携することで不正に情報が抜かれてしまうのではといった膨大なチェック項目をひとつずつクリアする必要があり、それには多くの時間を費やしました。しかし私個人としては新しいサービスを導入できれば、社内に新しい風が吹くのではという期待がありました。

オリックスとしてDX化を進めている一方で、新たなサービスを導入する場合にはそれなりのハードルがあります。しかし我々の部署が率先して新しいサービスを導入できれば、他の部署でもそれぞれが良いと思っているものを積極的に取り入れていこうという姿勢が生まれ、それが各部署の業務改善やDX化のきっかけになるかもしれません。サービスを導入すること自体はたいした話ではないのですが、プロセスも含めてすごく重要だと考えています。
オリックス 法人営業本部 デジタル戦略推進室 プロジェクトマネージャー 石原 亨

オリックス 法人営業本部 デジタル戦略推進室 プロジェクトマネージャー 石原 亨


猪瀬:我々のプロダクトは最高品質のセキュリティを構築していますが、導入をご検討くださる方以外の方々からすれば、新しい企業のプロダクトに大事な情報を預けるということは難しいものがあると理解しております。ですが石原様とご関係者の方々と、一緒に前に進んでいこうという姿勢で取り組めたことは、我々にとっても大きな経験になりました。

AIを用いた独自の技術で日本企業の活性化を図る

──営業やバックオフィスの最適化・効率化を目指すものとして、AIを活用したツールを導入する企業が増えています。多様化するニーズに対し、どのようなソリューションが必要とされていくのでしょうか。

猪瀬:営業においては再現性があるセールス手法が言語化でき、それが会社の資産になることはとても重要だと考えています。また営業の中には楽しいことと楽しくないことがある。その楽しくないことを自動化し、プロダクトが実行することで楽しいことに集中できる世界を作っていきたいと考えています。

先ほど石原様がお話しされていた導入へのハードルもそうですが、日本では特に大企業ほどイネーブルメントツールを導入している企業は少ない状況です。一方で、新規事業に取り組んでいる企業はたくさんある。例えひとつの部署からでもSAFの導入が進めば、日本企業が活性化していくのではと考えています。我々もその一助になれるよう、機能のアップデートやツールの最適化を行っていきたいと思っています。

石原:日本の99%は中小企業ですが、なかでも地方企業のDX化がなかなか進んでいないと感じています。さまざまなソフトで作成されたビジネス書類をデジタル化し、一箇所に集約することができる「PATPOST」を開発したのも、デジタル化をきっかけに各企業さまがその後DX化に踏み出す手助けになればという思いからです。

生成AIや新技術があるいま、他社とアライアンスを組みながらお客様の業務改善に繋がるような提案をしていきたいと考えています。「PATPOST」でデジタル化の基盤を作った上で、そのデジタル情報を用いてお客様の業務改善に繋がるような取り組みを構築することがいまの我々の目標です。


amptalk
https://amptalk.co.jp/

PATPOST(オリックス)
https://patpost.jp/


いしはら・とおる◎1997年大学卒業後、設計会社を経て2005年にオリックスに入社。大阪本社にて中小企業向けファイナンスを中心とした法人営業業務に12年間従事し、17年より東京本社へ異動。大手企業向けの法人営業を経験後、スタートアップ企業の支援業務を経験し、21年よりデジタル戦略推進室にて新規事業開発業務に従事。

いのせ・りょうま◎2010年に早稲田大学卒業後、大手化学メーカーにて営業・マーケティングを経験。2年間ペンシルバニア州の米国の医療機器メーカーでProduct Marketing Managerを経験し、営業500名に対しSales Enablementツールを用いたDXのプロジェクトをリード。18年スペインie business schoolにてMBAを取得。その後、20年amptalkを設立。



Promoted by amptalk / text by Rikako Ishizawa/ photographs by Jyunji Okunishi / edited by Aya Ohtou(CRAING)