サンフランシスコでは先週、ゼネラル・モーターズ(GM)傘下のGMクルーズが運行するロボタクシーが消防車と衝突し、乗客1人が負傷した。CBSは消防士の話として、タクシーが交差点で消防車に道を譲らなかったことが原因だったと伝えている。GMクルーズは18日、同市内でのロボタクシー運行数を半分に減らすことに同意した。
一方で、同社サンフランシスコ支部のグレッグ・ディーテリッチ部長は、自社のロボタクシーを擁護。タクシー側は視界に入った消防車を「ほぼ即座」に識別し、サイレンの音も「背景の騒音と区別できるようになったらすぐに」識別していたと主張。事故の原因は現場となった交差点にあり、周囲の建物によって「人間もAV(自動運転車)も一様」に視界を遮られていたと指摘した。
GMクルーズのロボタクシーでは最近、事故や問題が相次いでいる。今月には、タクシーが乾いていないコンクリートに入って工事現場で立ち往生する事故が発生。また、多数の人が密集していた音楽祭の会場近くで、通信の問題により10台前後が停止する事態も起きた。さらに、火災により立ち入りが制限されていた現場にロボタクシーが侵入し、消防隊がその窓ガラスを割って停止さた事例も伝えられている。
GMクルーズは、運行するロボタクシーの数を日中は最大50台、夜間は最大150台に制限することに同意。カリフォルニア州自動車局は20日、AP通信に対し、GMクルーズのロボタクシーに関する「最近の懸念すべき問題」を調査していると説明した。
GMクルーズの広報担当者は「クルーズが全体的な交通安全に良い影響を与えていることは明らかだ」と言明。「カリフォルニア州自動車局と協力して改善を行い、弊社の車の安全性と効率性を強化するために必要なデータを提供する」意向を表明した。