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2023.07.29 11:00

今や1兆円規模!ふるさと納税から見えてきた持続可能な社会

谷本 有香

Shutterstock

年々利用者が増加の一途をたどっている「ふるさと納税」は、まもなく1兆円規模に届くとも言われている。寄付者にとっては、税控除を受けられたり、地方名産の返礼品が送られてきたりと、「お得」という言葉とセットで語られる事が多い「ふるさと納税」だが、本来は、「地方創生」「地方間の税収格差の是正」という使命を背負って誕生したシステムだ。そんな中、「ふるさと納税体験に関する調査」が行われた。

そこから見えてきたトレンドと実態とは──?

ふるさと納税体験者による意識調査から「行動変容」が

調査を実施したのは、持続可能な地域作りを目的として、国内最大級のふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」などの事業を展開する「トラストバンク」が、創立10周年を記念して立ち上げた調査機関「トラストバンク地域創世ラボ」。これまで同社が多くの自治体と共に歩んできた知見を基に、持続可能な社会の実現へと貢献するための調査研究や情報発信をしている。。アンケートは、ふるさと納税経験を持つ20歳以上の1074人を対象に実施された。

〈ふるさと納税体験に関する調査 2023〉※複数回答

ーふるさと納税で楽しいと思う時は?

「知らなかった特産品に出会えた」39.0%
「有名な名産品を見つけた」37.3%
「お得なものを見つけた」32.4%
「旬の品から選べる」30.6%
「生産者・事業者の想いに共感する」15.7%
「応援したい生産者・事業者を探す」15.2%

ー御礼の品選びについて。

「訳アリ・規格外」の品を選んだ事がある」47.9%
「日用品・生活用品を選んだ事がある」50.5%
「定期便を選ぶ」31.8%

ー寄付金額ランキング(「ふるさとチョイス」2022年度データより)

1位:肉
2位:魚介類(エビ・カニ類を除く)
3位:果物
4位:雑貨・日用品

ーふるさと納税がきっかけとなった事。

「その地域のファンになった」40.9%
「知らなかった自治体を知った」69.6%
「知らなかった特産品を知った」69.2%

ーふるさと納税が地域に生み出す好影響。

「自治体の財政が増える」64.8%
「地域の事業者・生産者の売上が増える」50.6%

ーふるさと納税を通じて、特定の地域のファンになった事があるか?また、その理由は?

「ある」40.9%→「御礼の品の質が良かったから」74.7%

ーふるさと納税を通じての行動変容はあったか?

「再度ふるさと納税を行い、御礼の品を貰った」61.3%
「買物する時に、その地域の品を選ぶようになった」24.6%
「実際に現地を訪れた」24.4%
「災害支援の寄付をした」23.9%
次ページ > 「お得追求派」VS「支援したい派」双方で地方の持続可能な社会へ

文=中村麻美

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