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2023.07.19 08:15

半数以上が間違えているエアコンの節約術とは

リリースベース(松村)
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梅雨が明けていないにもかかわらず東京では猛暑日が続きましたが、光熱費の高騰によりなんとか節約しようと、いちばん電力がかかるであろうエアコンの設定温度を上げたり、控えたりする人も多いことでしょう。エアコンを控えるのは熱中症につながるリスクがあるので、十分気を付けなければなりませんが、ダイキンの調査によると、約6割の人が間違った認識で節約行動をしていると指摘しています。

調査は、節電方法としてよくやる行動をいくつかの選択肢として設け、その中から効果的な節電になるものはどれかと質問。すると、節電方法として認知されているトップは、「空気清浄機や扇風機、サーキュレーターをエアコンとセットで使う」の56.9%でした。一方、逆効果になりかねないにも関わらず、節電効果が期待できる方法としてもっとも多かったのは「風量はできるだけ『弱』を使う」の26.5%となっています。

風量を抑えると消費電力が抑えられるイメージがありますが、そのぶん室内が涼しくなるまで時間がかかり、消費電力が増加する可能性があります。そもそもエアコンは、室内機と室外機とで熱のやり取りをすることで室内の熱を外へ追い出して冷やしていきます。熱を運ぶのが冷媒と呼ばれるガスであり、これが室内機と室外機を循環し室内機・室外機それぞれにある熱交換器によって熱が外へ放出されます。熱を放出した冷媒は、再び室内機へ戻り冷たい空気を放出しつつ、熱をまた運ぶという繰り返しになります。

このとき冷媒を循環させるのが圧縮機であり、これが弱風によってなかなか室内が設定した温度にならないと動き続けることになり、消費電力の増加につながるというわけです。

また、室内機はもちろん、室外機も熱交換器に流れる空気をスムーズにする必要があり、そのためフィルターの定期的な掃除や室外機のファインを塞ぐような荷物を置くことは厳禁になります。

ほかに、節電につながらないものとしては、エアコンのスイッチを頻繁にオン/オフにする行動です。エアコンは設定した温度に達するまでは圧縮機が多くの熱を運ぶため消費電力がアップしますが、設定温度に到達すると、その温度を保つために力を落として安定運転を続けます。オフにしてしまうと室温が上昇してしまい、再び熱を大量に運ばなければならず消費電力が高くなるというわけです。

ダイキンは、エアコンの負担を減らす節電の工夫として、設定温度を下げるのではなく風量を上げて体感温度を下げることを推奨しています。「風量自動」にしておけば、エアコンオン時は強風にして熱交換器を通る空気の量を多くし効率よく熱を集めるようになり、室内の熱が減ってきたら、風量を弱くして安定運転へ移行します。室内の空気をサーキュレーターなどで循環させるというのは、温度ムラを少なくしエアコンが感知する温度が設定温度になりやすくし、必要以上の運転を避ける狙いがあります。

こうしたエアコンのしくみや節電する工夫の情報は、ダイキンのサイト「エアコンの『冷やすしくみ』と電気代の関係」で読めるので、ぜひ一読してみてください。

出展:ダイキン「エアコンの節電に関する実態調査」より

文=飯島範久

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