北米

2023.07.08 08:30

サンフランシスコで活動家が「自動運転タクシー」を妨害

Getty Images

サンフランシスコの活動家たちは今週、ウェイモやクルーズなどの企業が運行する自動運転タクシーのボンネットに道路工事に使用するカラーコーンを置いて、車両を停止させた。その模様を撮影した動画は、ツイッターだけで100万回以上も再生されている。ウェイモの広報担当者はこれが「破壊行為」だと述べている。

「このような行為は、道路上での危険な行動を助長するものだ」とウェイモの広報担当者のキャサリン・バーマは、筆者にEメールでコメントを寄せた。同じくサンフランシスコで自動運転タクシーを運行するクルーズの広報担当者も、活動家たちを批判する文書を送ってきた。

「クルーズの車両は、信頼できる交通手段がない深夜のサービス労働者に無料で乗り物を提供し、食糧難のサンフランシスコ市民に200万食以上の食事を届け、地元企業から余った食材を回収している。意図的に車両を妨害することは、こうした努力を妨げ、地域の交通渋滞を引き起こす危険性がある」と、クルーズの担当者は述べている。

自動運転車は近年、サンフランシスコで物議を醸している。反対派は、これらの車両のオペレーターたちが、人々を不本意で危険な実験に参加させていると主張している。

しかしロボットタクシーを運営する企業は、これらの乗り物が安全だと主張している。ウェイモの広報担当者は、同社の最高安全責任者のマウリシオ・ペーニャ(Mauricio Peña)が、自社の安全記録を称えるブログ記事のリンクを筆者に送ってくれた。しかし、英紙ガーディアンによると、この記事は、ロボットタクシーのドライバーは人間のドライバーよりも優れている場合が多いと説明しているが、5月にウェイモの車両に轢かれて死んだ犬については触れていない。

自動運転タクシーは、確かに課題を抱えている。サンフランシスコで長年にわたり、多くの人間のドライバーが誤って犬を轢き殺してきたのは間違いないが、そのシナリオでは責めるべき人がいる。しかし、ロボタクシーの場合、説明責任の問題や、誰かが傷ついた場合の正義がどこにあるかという点が、あまり明確ではない。

TikTokで「Safe Street Rebel(街の安全のための反乱)」と名乗る活動家たちは、7月13日に開催されるロボタクシーについての意見交換会に住民が参加することを望んでいる。カリフォルニア州の公益事業委員会は、市街地での自動運転車の走行を許可する規則の拡大についての投票を実施する前に、この会議を開催し、人々の意見を聞こうとしている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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