働き方

2023.06.27

過度なストレスを示す5つの兆候と、5つの改善法

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人間の体は、極度の精神的ストレスに耐えられるようにはできていない。だがここ数年で、ストレスは常態化した。職場によっては、ストレスを容認したり、さらには称賛するところすらある。

ストレスを感じると体内をアドレナリンが駆け巡り、甘いものを口にしたときと似たような興奮状態になるが、その後は一気に消耗してしまう。世界中の労働者は今、ストレスによる消耗から回復することに、かつてないほど苦労している。

米ストレス研究所(The American Institute of Stress)は、ストレスが米国の産業にもたらす損失を年間3000億ドル(約43兆400億円)以上と見積もっている。驚くべき数字だ。

極度のストレスが引き起こす症状

では、ストレスが限界に達していないかどうかを調べるために、セルフチェックをしてみよう。以下のリストを読み、自分に当てはまる症状を数えてほしい。

認知的な症状

・記憶力が落ちている
・集中できない
・判断力が低下している
・否定的なことばかり考える
・不安を感じたり、いろいろなことを考えたりしてしまう
・常に気を揉んでいる

情緒的な症状(うつや、全般的な幸福感の低下)

・不安で落ち着かない
・不機嫌で、すぐイライラし、怒りっぽい
・精神的に圧倒されている
・孤独感や疎外感がある
・メンタルや情緒に関連する他の問題がある

身体的な症状

1. 寝つきが悪い、眠れない
2. 体がこわばる
3. 消化不良を起こしている
4. 動悸や胸やけがする
5. 運動意欲が低下した
6. 食欲不振、過食
7. 大小問わず、けがが増えた
8. 依存症や、依存的な行動

当てはまるものが5つ以上の人は、ストレスがたまりすぎているので、このまま読み進めてほしい。まずは、ストレスの原因を説明してから、解消方法を紹介する。

職場でのストレス

世界保健機関(WHO)は2019年、医療機関や研究機関向けのガイドライン「疾病及び関連保健問題の国際統計分類第11版(ICD-11)」に、「燃え尽き症候群(バーンアウト)」を追加した。

燃え尽き症候群は「適切に管理されていない、慢性的な職場ストレスに起因するもの」と定義されている。単なるストレスではなく、絶望感、無力感、無気力、うつ、絶え間ない不安を引き起こすことがある。
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ・編集=遠藤宗生

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