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2023.06.22 06:15

AIが取って代わりそうな職種の未来、学生はどう考えるか

大柏 真佑実
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Getty Images

学生に、ChatGTPなど生成AIの利用が広がっている。文部科学省は5月16日、学校現場における生成AIの利用について、夏までにガイドラインを策定する方針を示した。他方で、就職活動における生成AIの利用についてもまだ公のガイドラインは存在しないが、学生達の利用実態はどうなっているのだろうか。

就職や転職、キャリアに関する研究・調査を行うJob総研は5月31日〜6月5日、322人の現役大学生(男女)を対象に調査を実施した。

まず、就職活動における生成AIの使用意欲については、「使用する」(15.8%)と「多分使用する」(25.8%)、合わせて4割超(41.6%)が「使用する派」に。「使用しない派」は合計約6割(58.4%)となり、「使用する派」を上回った。続いて、生成AIが就職活動で役立つと思うかを尋ねると、最多が「役立つと思う」で33.9%。「とても役立つと思う」(27.2%)、「どちらかといえば役立つと思う」(30.3%)と合わせて、「役立つと思う派」が9割超(91.4%)に上った。

さらに、生成AIを就職活動で何に使用するかを尋ねたところ、最も多かった答えが「エントリーシートの作成」で59.7%。次いで「自己PR文の作成」(50.7%)、「情報収集」(46.3%)、「業界研究」(43.3%)、「面接対策」(26.1%)の順に。就職後に生成AIを使用するかについては、「使用すると思う」が28.9%で最も多く、「とても使用すると思う」(15.8%)、「どちらかといえば使用すると思う」(28%)と合わせて、「使用する派」が7割超(72.2%)を占めた。

また、AIに代替されると思う職種を聞くと、「事務系」が60.9%で最多となり、「ライター系」(43.2%)、「技術職(開発・エンジニア系)」(27.6%)、「管理系」(27.6%)、「コンサルタント系」(20.5%)が続いた。それらの代替されると思う職種が就職活動での職種選びにどのように影響するかについては、「希望から外す」派が「多分希望から外す」(46.9%)、「希望から外す」(14.9%)を合わせて6割(61.8%)を超えた。 

他にも、生成AIについての印象を質問すると、「ポジティブ派」が9割超(94%)に。将来、生成AIが人間の仕事を奪うと思うかについては、最多を占めたのが「どちらかといえば思う」の40.4%で、合わせて約8割(82.7%)の学生が「将来、生成AIに人間の仕事を奪われると思う」と考えていることが分かった。

学生からは、「試しに就職活動で必要な資料作成に使ってみたけど、クオリティが高いもので驚いた」「就職活動にAIを用いるのは企業側も同様だと思うので、今後使っていきたい」「AIチャットを上手に使いこなすための知見を高めることで、他者との差が出る時代」という生成AIの活用にポジティブな意見が。一方で、「使い方を間違えると自分の思考がなくなっていきそうでこわい」「AIに就職活動で使用する資料を作らせても、企業側にばれた時のリスクが大きい」などといった不安の声もあがった。

Job総研は調査結果を踏まえ、時代の転換機とも言えるタイミングで就職活動をする学生には、AIを就職活動で使用することの是非が問われていると指摘。翻って、採用する企業側にも、対応の変化が問われていくだろうと推測した。


プレスリリース

Forbes JAPAN Web編集部

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