健康

2023.04.22 10:00

AI時代に人間らしさを取り戻す「セルフアウェアネス」の実践

鈴木 奈央
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カラダのセンサーを高める

「カラダをケアする」というと、多くの人が運動やトレーニングを思い浮かべるだろう。セルフアウェアネスを高めるカラダのケアの仕方は、カラダのセンターを高めること。つまり、カラダに備わった感覚機能である五感を日々意識的に使うことである。

朝起きていれるコーヒーの香り、靴で地面を踏み締める感覚、ランチタイムの食事の味、旅行先で見る美しい景色、家族や大切な人に触れた時の肌の感覚……。

PCやスマートフォン上の情報に意識をとられ、リアルな体験をしっかり感じて味わうということをおざなりにするのではなく、目の前の体験をしっかり感じること。そうすることで五感のセンサーが高まり、直感が鋭くなったり、カラダの内側から湧く内受容感覚を判断の材料にもできるようになってくる。

未来学者で人工知能の権威であるレイ・カールワイツは、”ひらめき”の力を高めるためには、「Kinesthetic(体感覚)」「Visual(視覚)」「Auditory(聴覚)」からのインプット・アウトプットが重要であると述べている。

五感をしっかり意識的に使うことは、人間が人間らしさを取り戻し、クリエイティビティを取り戻す原点になるのだ。


「魂」とはライフパーパスへの意識

「魂」という言葉を使うと、どこかスピリチュアルな感じがして敬遠してしまう人もいるかもしれない。しかしここでは、あなたが「魂」の存在を信じているかどうかや、スピリチュアルな感性があるかどうかは一切関係ない。

企業の組織開発のシーンにおいて「パーパス」という言葉が使われるようになっているが、「魂」はその個人版と言える。つまり「存在意義」への意識だ。

企業がなぜこの世に存在するのかを定めるのと同様に、個々人がどうしてこの世に存在するのか、どのように社会に貢献をしたいのか、という視点で自己を捉えることが「魂(高次元の自己)」の要素からセルフアウェアネスを高めるアプローチである。

歴史的にも文化的にも、豊かな精神性と感性を持つ私たち日本人。日本の経済の復活は、日本のビジネスリーダーのホリスティックな「内面的自己認識」の向上にかかっている、というのは大袈裟ではないのではないだろうか。

文 = 小川麻奈

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