欧州

2023.04.04 12:30

パリ市民、レンタル電動キックボードに「ノン」 8月末めどに撤去へ

安井克至

パリで米ライムの電動キックボードを利用する男性(Getty Images)

フランスの首都パリでは2日、レンタル電動キックボードの是非を巡る住民投票が行われ、投票に参加した市民の約9割が反対票を投じた。この結果を受け、同市のアンヌ・イダルゴ市長は、路上から電動キックボードを撤去すると約束した。

選挙権を持つ市民138万人のうち、投票に参加したのはその8%にも満たない10万3000人余りにとどまったものの、イダルゴ市長は記者団に対し、有権者の選択を尊重すると表明。電動キックボードを共有するビジネスモデルは10分で5ユーロ(約720円)という「非常に高価な」料金体系で成り立っており「とても持続可能とは言えず、何より多くの事故の原因になっている」と指摘した。

レンタル電動キックボードは現在、パリ市と契約を結んでいる米カリフォルニアのライム、蘭アムステルダムのドット、独ベルリンのティアーが運営する。今回の投票結果を受け、電動キックボードの運営許可は8月末までに取り消されることになる。3社は最近、レンタル電動自転車の運営に舵を切り、すでに契約打ち切りに備えている。

今回の決定により、パリは欧州の主要都市で唯一、携帯電話のアプリでレンタルが可能な電動キックボードを禁止する都市となる。ただし、個人所有の電動キックボードについては禁止の対象外に据え置かれる。



速度が管理され、全地球測位システム(GPS)によって特定のエリアに制限されたレンタル電動キックボードがパリに導入されたのは2018年。ライムのフランス担当責任者は先週、AFP通信に「世界中の都市でこのような乗り物を導入する動きがあるが、その流れは先駆者であるパリから始まった」と語っていた。

forbes.com 原文

翻訳・編集=安藤清香

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