欧州

2023.02.22

欧州、自転車普及へ取り組み加速 2030年までに走行距離倍増へ

2015年9月27日、フランス・パリで開催されたカーフリーデーで、凱旋門を背景にシャンゼリゼ大通りを自転車で走る人々(Photo by Aurelien Meunier/Getty Images)

欧州では、多くの国や都市の文化に自転車が深く浸透している。インフラ整備が進んでいることで、観光客が楽しく安全に自転車を利用できる上、地元住民にとっては健康増進や交通渋滞の解消、住み心地向上といった効果を生んでいる。

欧州議会は2022年2月、欧州での自転車利用をさらに手軽で快適にすることを目指した新たな決議を採択した。欧州委員会と欧州連合(EU)各国に対し、自転車による走行距離を2030年までに倍増させるサイクリング促進戦略を定めることを求める内容で、住民と旅行者の両方が活用できるサステナブルかつ健康的な移動方法としての利用を促すために次の推奨事項も挙げられている。

・安全な分離型のサイクリングインフラへの投資を大幅に増やし、自転車を都市構造に組み込む
・交通安全教育やトレーニングを改善する
・欧州製の自転車や部品の生産を支援する
・自転車が簡単に手頃な価格で利用できるようにする
・欧州の自転車道路網「ユーロヴェロ(EuroVelo)」と、その17経路の開発を加速させる
・自転車通勤がしやすい職場を奨励する
・安全な駐輪場と電動自転車の充電場所を設置する

事業者団体Cycling Industries Europe(サイクリング・インダストリーズ・ヨーロッパ)のケビン・メーン最高経営責任者(CEO)は「EU機関が自転車分野の重要性を今回ほど包括的に認めたことはない」と述べている。

forbes.com 原文

編集=遠藤宗生

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