ビジネス

2023.02.28 09:30

ヤクルト村上宗隆をCMに起用、ビジネスツール「Lark」の勝算

「かゆい所に手が届く」後発の強みとは

──すでにグローバルに展開する中で、なぜいまLark Japanを立ち上げ、日本市場へ攻勢をかけるのでしょうか。

桜井吉男(以下、桜井) 世界的に見ても日本のデジタル化は非常に遅れているのが否めません。さまざまな企業のDX推進をサポートしたいという思いから本格参入を決意しました。



後藤元気(以下、後藤) この数年のデジタルツールの普及によって、Larkが挑戦しやすいタイミングになったという感触もあります。Larkでデジタルを活用した組織変革を実現し、それをベースに新たなチャレンジをしていただきたいと考えています。

──DXについて、日本企業は全般的に遅れているとの指摘もあります。デジタルツールを導入しても進まなかったのが、Larkだとなぜ変革が可能になるのでしょうか。

後藤 後発の強みがあると思っています。ユーザーのみなさまからよくいただくのは「かゆい所に手が届く」という声です。

桜井 具体的な一例としては、モバイルフレンドリーであることです。たとえば、スマホでExcelの表をいじることはあまりしませんよね。「Excelのこの箇所を更新したのでチェックしてください」といったメッセージを受けて、PCを開いて作業することが多いと思います。しかしLarkは、更新の通知を開くと該当箇所に飛んでスマホ上で作業できます。しかもチャットと自動的につながっているので、DXの基盤がリアルタイムで構築されます。

後藤 さまざまなシステムとの連携も容易です。現在、Larkは750以上のAPIを公開していますが、人事管理システムなどとつなげてアラートを仕掛け、更新されたらチャットが飛んでくるといった状態にもできます。いわゆるiPaasのように、複数のシステムを統合するプラットフォームとしてのコンセプトも強化しています。




桜井 「ビジネスツールの最終進化形」を謳っていますが、ビジネスツール領域、コラボレーションツール領域においてナンバーワンを目指しています。日本中、どの企業でもLarkを使っているという状態を実現したいと思っています。

未だ解消されないペインポイントに勝機がある

──CM発表会で桜井さん自身もおっしゃったように、ビジネスツール市場はレッドオーシャンです。かなりのシェアを誇る製品もある中で、どこに勝算を見出していますか。

桜井 たしかにハードルはかなり高いと承知しています。ただ、多数のビジネスツールがありながらも、多数の企業が未だにいろいろなペインポイントを抱えているという現実があります。DXも思ったほど進んでいません。そうした課題を解決することで、Larkの価値を感じていただけると思っています。

たとえば多店舗展開をしている企業であれば、各店舗の在庫や売り上げがどうなっているか最も気になるところです。Larkなら、そうしたデータを簡単にダッシュボードに変換でき、リアルタイムでデータ分析ができます。先ほど申し上げたようにワークフローも自動化できますので、生産性を圧倒的に向上できます。すでにSMB領域やスタートアップ、テックカンパニー、飲食カンパニーなどを中心に好評をいただいています。

後藤 数千人のエンジニアが開発に携わり、常時アップデートを実施している点もお伝えしたいところです。ユーザーからダイレクトにフィードバックできる体制を整え、立ち上げ初年度は56回のアップデートを実施しました。今後さらにフィードバックのサイクルを高速化し、プロダクト・イノベーションを実現していきます。

桜井 ナンバーワンという大きく目標を見据えつつ、まずはLarkが提供できる価値と、安心・安全で信頼できるツールであることを丁寧にお伝えしていきます。そのうえで、政府も支援を強化しているスタートアップとの親和性は非常に高いと思いますので、そのサポートにはとくに力を入れていきます。

文=高橋秀和 写真=西川節子

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