断食の方法の1つである「断続的断食」は、1日の食事の回数を減らすというものだ。断食している時間が長くなると、前回の食事で摂取したカロリーすべてが消費され、体は体脂肪を燃焼させなくてはならなくなる。
米ユタ大学の栄養・統合生理学の研究チームが新たに発表した研究結果によると、この断続的な断食方法は、さらに長生きにもつながる可能性があるという。
断続的断食は、時間、または曜日で食事を制限する方法だ。「24時間中8時間のうちに、その日1日に摂取するカロリーをすべて摂取し、その後16時間は断食する」か、あるいは「1週間のうち5日は普通に食事をし、2日は1日1食にする」
断食の方法には、ほかにもいくつかのアプローチがある。だが、結果を出すために重要なのは、継続することだ。新たにこの食事のサイクルを取り入れると、初めのうちは空腹感に悩まされたり、機嫌が悪くなったりする。だが、それは驚くことではない。開始から数週間が過ぎたころには、始める前より体調が良くなったと報告する人が多いという。
この方法がその他のダイエット法と違うのは、必ずしも「食べるもの」を変える必要がないということだ。もちろん、カロリーが高いジャンクフードを食べても良いということではない。だが、専門家らは、必要な栄養素を接種して体調を維持するため、さまざまな食品を取ることを勧めている。
自分が取っている食品により注意を向けるようになることから、この方法で断食を続けると、心臓病や2型糖尿病、加齢性による神経障害といった慢性疾患などの予防、または回復につながることも指摘されている。
すべての人に適した方法ではない?
ユタ大学の研究では、まずマウスを2つのグループに分け、どちらのグループにも同じ高カロリーのエサを与えた。ただ、一方のグループのみ、エサを与える時間を1日9時間以内に制限した。実験の開始から7週間後にマウスの肺と心臓、肝臓、腎臓、腸、脳の複数の部位から合わせて22のサンプルを採取して調べたところ、食事の時間を制限していたグループのマウスから採取した臓器は、遺伝子の約80%に変化がみられたという。12時間ごとに光を当てる時間と暗い時間を繰り返したところ、それらの遺伝子には、代謝の柔軟性の促進につながる概日リズムの発現に改善がみられた。これは、細胞の機能をサポートする生物学的プロセスを強化すると同時に、炎症や細胞の変性を抑制すると考えられる変化だ。
また、心臓や肝臓、筋肉、腸の一部といった代謝臓器のほぼすべてに、分子(栄養素)の状態の改善がみられた。炎症が抑えられ、RNAとタンパク質が安定化し、損傷した細胞の排除が促されたことによって、老化の特徴とされる変化に回復がみられた可能性もあるという。
多くの人にとってこの断食方法は、体重を管理するのに有効な方法となるだろう。ただ、誰にとっても安全というわけではないことには、注意が必要だ。特に、糖尿病と診断されている人、妊娠中または授乳中の人、摂食障害の既往歴がある人などには、必ずしも安全ではない可能性がある。
新たに発表された研究結果が示すのは、断続的断食が期待の持てる方法であるということだろう。だが、この方法が人に長期的にどのような影響を及ぼすかについては、まだ十分には明らかにされていない。
(forbes.com 原文)