健康

2023.04.15 11:00

空腹感抑制で「体重22.5%減」のダイエット新薬、年480億ドル売上げ見込み

石井節子

Kameleon007 / Getty Images

米国の大手製薬会社イーライリリー社が開発した新薬が発売されれば、これまでで最も売れたダイエット薬になるだろう。体重を最大22.5%も減らすことができるといわれているからだ。

この新薬は「ティルゼパチド」と呼ばれ、来年中に食品医薬品局から承認される予定だ。 

バンク・オブ・アメリカのアナリスト、ジェフ・ミーチャム氏の推定によれば、ティルゼパチドの年間売上は480億ドルに達する可能性があるという。

薬の価格はまだ明らかにされていない。

ティルゼパチドの「公正価格」は、年間1万3000ドル前後、1カ月1100ドル前後になる可能性があると、薬の適正価格の決定を支援する研究団体「臨床経済審査研究所」の最高医療責任者、デビッド・リンド医師は述べている。

「空腹感を抑えるホルモン」を模倣

これは、「GLP-1アゴニスト」と呼ばれるクラスの薬剤で、空腹感を抑えるホルモンを模倣したものだという。

また、ティルゼパチドはGIPと呼ばれる第2のホルモンも模倣しており、食欲を抑えるとともに、体内の糖や脂肪の分解を改善する可能性もある。

第3相臨床試験では、ティルゼパチドの高用量投与により、現在市販されているどの薬剤よりも、平均22.5%、約52ポンド(約23キログラム)の体重減少が確認された。

低用量では、3つの薬剤すべてが糖尿病治療薬として承認されている。ディルセパチドは、糖尿病治療薬として「Mounjaro」の名で販売されている。

クリーブランド・クリニックの肥満・メタボリック研究所の肥満医学部長であるW・スコット・ブッチ博士は、肥満には独特のスティグマ(烙印)があるという。

「多くの医師はいまだに肥満を、医学的な問題ではなく『行動の問題』として見ている」と彼は言った。

「そこにはまぎれもない偏見がある」とブッチ博士は言った。博士はさらに、「保険会社は、他のどんなタイプの薬よりも抗肥満薬の利点についてより多くの証拠を求めている」

「保険会社によっては、特定の減量薬に保険適用をする場合もあるが、『BMIが30以上など、一定の基準を満たした患者のみへの処方』といった制限を付加することが多い」とも博士は言っている。

NYU Langone Healthの体重管理プログラムのディレクターであるホリーロフトン博士は、定期的に患者に新薬を処方しているが、多くは保険による適用が拒否されるという。「保険会社はまるで、患者が病気になって薬を必要とするまで、手をこまねいていたいかのようだ」

肥満医学の専門家で、ボストンのマサチューセッツ総合病院の内分泌部門の持分責任者であるファティマ・スタンフォード医師は、次のように述べている。「抗肥満薬の民間保険適用の条件にはムラがあり、治療はしばしば最も高価なプランについてにのみ、制限される」

www.DeepL.com/Translator(無料版)で翻訳し、編集部で査読・編集した。

(この記事は、英国のテクノロジー特化メディア「Wonderfulengineering.com」から転載したものです)

編集=石井節子

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