ビジネス

2023.01.22 09:00

アテンション専門家が説く、好奇心をくすぐる3つのポイント

2163
情報に空白をつくる。「脳は、いったん疑問が生じると、その疑問を解決するモードへと切り替わる」とビリングスは話す。

「アイスクリームをギターのサウンドホールに詰めている動画を、また例にとろう。仮に、キャプションに『史上最高のアイスクリームサンデー』と書かれていたとしよう。ここから、アイスクリームサンデーをつくろうとしている動画だと気づく。とはいえ、最終的にどのようなアイスクリームサンデーができあがるのかは、いまひとつ想像できない。そこで、動画をそのまま見続ける。動画の始まり(ギターにアイスクリームを詰め込む)と、目指しているもの(史上最高のアイスクリームサンデー)はわかっているが、結末はわからない。それこそ、脳が解決しなくてはならない謎だ」

身近な物事に対する新たな見方。「好奇心を必ずしもかき立てるわけではないが、目新しいと同時に、自分が関心を持っている身近な物事と関連していることに、人は関心を向けるものだ」とビリングスは説明する。

「だからこそ、ネコの動画は次々と投稿されるし、セレブには、まだ一度も投稿していないのに大勢のフォロワーが集まるのだ。あなた自身がネコを飼っていなくても、セレブでなくとも、オーディエンスがすでに関心を持っている物事を上手に利用することはできる。それどころか、そうしなくてはならない。あらゆるフィットネス雑誌が、『お腹の筋肉を引き締める新しい方法5つ』などという見出しをつけた記事を掲載するのには、きちんとした理由があるのだ」

次回、ソーシャルメディア用に動画を撮影したり広告を作成したりするときは、以下の3つの問いを考慮するよう、ビリングスは勧めている。

・情報をこれまでにない新しい方法で提示するには、どうすればいいのか。

・中間の情報を明かさずに、最初の情報と最後の情報でオーディエンスをじらすにはどうすればいいのか。

・「オーディエンスがすでに関心をもっている物事」をうまく利用するにはどうすればいいのか。

ビリングスは人気動画クリエイターでもあり、TikTokでは、わずか40日間でフォロワーをゼロから40万人まで増やした経験がある。また、クリエイティブ・エージェンシー「Attentioneers」の共同創業者ならびに最高経営責任者(CEO)として、顧客たちの相談に乗っている。相談の内容は、ショートムービーを拡散させてリーチを広げ、収入を増やす方法についてなどだ。売れっ子のビジネススピーカーとしての顔も持っており、俳優ウィリアム・シャトナーやミュージシャンのボン・ジョヴィと並んで登壇したこともある。

forbes.com 原文

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

ForbesBrandVoice

人気記事