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2022.12.28 09:00

SDGs時代の経営の新潮流がわかる!世界で最も持続可能な100社

Forbes JAPAN編集部
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イラストレーション=ブラティスラフ・ミレンコビッチ

世界経済フォーラムの年次総会でも取り上げられている世界のサステナブル企業ランキング「Global 100 Index」。選出された企業のラインナップからは、SDGs時代の経営の潮流と、いままさに注目すべき企業が見えてくる。


世界中で、SDGsの達成に積極的に取り組む企業はどこか。

それを知る手がかりとなるランキングがある。カナダのメディア・投資調査会社コーポレート・ナイツが選定している「世界で最も持続可能な100社」(Global 100 Index)だ。例年、世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)でも発表されていて、世界的な注目度が高いランキングのひとつといえる。

22年版の調査は、世界の売上高10億ドル以上の上場企業6914社を対象に実施された。企業が開示している財務報告書やサステナビリティ報告書、ウェブサイトなどの情報を、ESG関連を中心とした24のKPIを用いて分析・評価し、サステナブルな企業100社を選出した。

ランクインした企業が本社を構える国や地域の内訳は、欧州が41社でトップ。米国企業は23社で、アジア圏の企業は15社だった。ベスト3のうち、1位には風力発電事業を手がけるベスタス・ウィンド・システムズ、2位にバイオテクノロジー企業のクリスチャン・ハンセン・ホールディングスが選ばれた。いずれもデンマークの企業で、ベスタスは今回のランキングで唯一、総合評価A+を獲得した。

また、米国のエヴォクア・ウォーター・テクノロジーズや香港の北京エンタープライズウォーターグループなど17社が今回、新たにGlobal 100にランクインした。これらの企業のラインナップからは、世界中で水問題の重要性が高まっていることがうかがえる。

気になるのは日本企業の動向だ。今回のランキングでは積水化学工業(22位)、エーザイ(32位)、コニカミノルタ(53位)が選出された。5年連続でランクインした積水化学工業は、21年版の51位から大きくランクを伸ばした。

SDGsへの取り組みが待ったなしのなか、ランキングの上下変動は激しい。先進的な取り組みを手がける企業に学びつつ、100社に選出される日本企業の数が増えることを期待したい。

ランキング算出方法


総売上高10億ドル以上の上場企業6914社を対象にコーポレート・ナイツ社が実施。企業の財務報告書やサステナビリティ報告書、ウェブサイトの情報などをもとに、温室効果ガスの排出量、水生産性、クリーンな収益や投資の割合、離職率、CEOの報酬と従業員の平均報酬の比率、執行役・取締役の人種の多様性、企業年金の質など24のKPI(重要業績評価指標)で各社を評価。
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編集=瀬戸久美子 イラストレーション=ブラティスラフ・ミレンコビッチ

この記事は 「Forbes JAPAN No.100 2022年12月号(2022/10/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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