ビジネス

2022.10.13 12:30

コミュニティに属さない自由と強さ クリエイティブとの関係とは

鈴木 奈央

写真=MAKI NAKATA

日本の企業が世界に出るときに足りないものは何か。そのひとつが“クリエイティビティ”だとしたら、どうしたら乗り越えていけるのか。

Kitchen & Companyの中道大輔がナビゲートするPodcast「VISION TO THE FUTURE」Forbes JAPANがコラボレート。国内外で活躍する“視点”のあるゲストとともに、考え、発信していく。

10月3日配信は、フリーランスのレポーター/クリエイティブ戦略アドバイザーのMAKI NAKATAがゲスト。デジタルノマド的なワークスタイルによって培われるものはなにか。それはクリエイティブにおいてどんな力を持つものなのか。彼女のブランド論を聞いた。(前編はこちら




中道:アフリカやオランダなどでクリエイティブのシーンをたくさん見ているのかと思いますが、そういうクリエイティビティやブランディングに関して、少しMAKIさんのイメージを聞いてみたいです。

クリエイティビティを中心に形作られていくビジネスって世界中にいろいろあると思いますが、MAKIさんご自身で、自分なりの解釈や視点って何かあったりしますか。

MAKI:難しい質問ですね。またアフリカの視点の話に戻ると、特にクリエイティビティに関しては、リソースが限られているからこそ、みんなクリエイティブだなと思うことが結構あります。リソースが限られていることが普通で、その環境において、いかにソリューションを出していくかを考えることに慣れている人たちが多いです。

中道:ソリューション大事ですよね、クリエイティビティにおいて。

MAKI:アフリカに対する偏見を是正したいという思いで、南アフリカ人のテキスタイルデザイナーと共に、自分でもブランドを立ち上げた経験があります。彼女のテキスタイルデザインを使ったプロダクトを展開していました。


写真=MAKI NAKATA

ブランドへの関心や「ブランドをつくりたい」という思いはアディダス時代から持っていました。アディダスとかナイキとか、ロゴを見ただけでなんとなく想起できるイメージがあり、それが信頼でもあって、強いアセットだなと実感して。ただ、それをもっと社会により良い方に使えないのか、というフラストレーションもありました。

自分でやってみた結果、プロダクトそのものよりも、メッセージを伝えるミディアムとしてのブランドの可能性により強い関心を持つようになりました。何か伝えたいことや解決したいことがあって、それを実現するための存在、そのミディアム全体がブランドかなと思っています。

なので、そういった意味で言うと「私なりの視点」もブランドと捉えることができて、その伝えたい視点っていうのを記事などで発信していくこともブランドを作るのに近いイメージです。
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文=小谷紘友 編集=鈴木奈央

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