Forbes BrandVoice!! とは BrandVoiceは、企業や団体のコンテンツマーケティングを行うForbes JAPANの企画広告です。

2022.10.25 20:00

Fintech Japan 2022 スタートアップ・ピッチバトル優勝企業・Siiibo証券が切り開く、伝統を進化させた社債の新領域

3620

7月に行われた「Fintech Japan 2022」におけるコンテスト「スタートアップ・ピッチバトル」で見事優勝を果たしたSiiibo証券。少人数私募社債の仕組みを活用して直接金融を実現する、革新的でユニークなサービス「Siiibo」とその目指す先について、代表取締役CEOの小村和輝に話を聞いた。


─ 学生時代から起業家を目指していたと聞いています。

小村和輝(以下、小村) 中高生のころからアルバイトが大好きで、並行して何十種類も経験しました。「もっと面白いことができないか。こんな商売のネタもある」とアイデアを書きため、大学3年のころに学生起業をしたのが原点。起業家を目指したというより、自己表現の手段が起業でした。人を驚かせたり、喜ばせたりしたくて、その延長ですね。それも、チームで動くことが好きで、テーマやミッションをつくってみんなでやり遂げることに夢中でした。

「こんな課題がある。ではどうしたらいいか」ということを常に考えていたなか、ドイツ証券に勤務してクレジット商品を扱っていたときに、プロ・アマ問わないマーケットでインカムゲイン型商品はニーズが非常に強いにもかかわらず、商品供給がまったく釣り合っていないことを痛感しました。

不思議なことに、シンプルな債券から仕組債へと商品性が複雑になっていくほど、購入するのはアマチュアの方が増える傾向にあり、一般の方向けに出回る商品が複雑でわかりにくいことに課題を感じていました。あらためて市場のあるべき姿を考えると、よりシンプルな商品で、直接金融の形で民主化されるべきではないかと。それを実現する手段として、少人数私募社債を使ったサービス「Siiibo」を提供すべく起業しました。

─ 社債、特に少人数私募社債には早くから注目していたのですか。

小村 大学院でデータ分析の研究室にいたのですが、株価の市場データを使ったことで金融の仕組みに興味をもちました。日本でソーシャルレンディングの課題が浮き彫りとなりつつあったタイミングで、そこで注目したのが少人数私募社債でした。仕組み自体がすごく面白い。情報のオープンさと透明性というのはトレードオフの関係にあって、誰でも見られるオープンな場所になるほど、出せる情報は限られ不透明になっていく。

一方、少人数私募社債は縁故債とも呼ばれていますが、元々は取引先や関係者など裏側の事情もよく知っている人が対象で、クローズドだからこそ企業の細部まで知ることができ、外部に情報がもれない。そんな透明性の高い仕組みが面白くて注目していました。



─ なるほど。それが「Siiibo」の立ち上げにつながるのですね。

小村 はい。「Siiibo」では「自由、透明、公正な直接金融を創造する」をミッションに掲げています。「直接金融」という言葉を入れている通り、企業と投資家が我々を介さずに直接つながることが理想です。

会社員時代にプライベートの時間でいろいろなサービスをつくって試してみましたが、結局はしっかり時間を使ってコミットして、第一種金融商品取引業者として登録もしないと世の中には認められないと気づき、そこから起業に向けて具体的な構想を始めました。

最初はずっと失敗の連続でしたが、チームに恵まれ、いろいろな人に支えられて、運がよかったからここまで来られた。チームで同じミッションに向かっている感覚がすごくあります。

─ 一般の方にとっては投資機会の限られていた社債を、従来からある少人数私募の仕組みを使って、オンラインで購入できるようにしたというのが革新的ですね。

小村 デットファイナンスの世界はいまが革新のタイミングかなと思っています。エクイティは金融ビッグバンのあとネット証券が数多く生まれて民主化されてきた経緯がありますが、デットのほうは間接金融主体が続き、あまり発展してきませんでした。

いまは投資家がネットで投資するのが当たり前になり、テクノロジーも発達して、人手を介さずマッチングができる。このタイミングだからこそ、オンライン上での社債購入が投資の選択肢のひとつになってくると思っています。

─ 金融市場における、Siiibo証券の社会的意義について教えてください。

小村 ひとつは、リスクを取ってベンチャー企業をサポートできること。元々は「投資家にまっとうな金融商品を届けたい」というところからスタートし、企業側については「さまざまなステージの企業から一定のニーズはあるだろう」という想定でした。ところが、創業して日が浅くビジネスモデルも新しいベンチャー企業には、銀行もなかなか融資を行えないので、実は困ってい るところが多いことがわかりました。

いまはベンチャーデットに注力して、デット性のリスクマネー供給の場を提供しています。企業のビジョンや事業に共感し、リスクを取って応援してくれる投資家とお引き合わせすること自体が、社会的意義のひとつだと考えています。

投資家に対しては、一定のリスクを取る分、リスクプレミアムを得られる投資機会を提供できていると思います。資産運用先を海外と国内、株式と債券の4象限でどう配分するかを考えるのが分散投資の基本で、公的運用機関などもその比率を公開していますが、国内債券の選択肢は少ない。それを我々が供給することで、投資家は本来の理想的な分散投資を実現でき、インカムゲインの選択肢を増やし、エクイティだけでなくデットでもリスクを取れる選択肢が得られる。そこが存在意義だと思っています。

─ 企業と投資家が直接つながることにはどんな価値があるのでしょうか。

小村 現代の起業家や経営者は、単にもうけることより、事業を通して世の中をよくしたいという意思をもたれている方が多い。実際「Siiibo」で発行実績のある企業様も何らかの社会課題に取り組んでいる方々ばかりです。投資家にとっても、自分のお金が何に使われているのかや、社会が変わっていく様子がわかるほうが楽しいのではないかと思います。経営者の思いを知り、投資の社会的意義を実感できることが直接金融のよさですね。

─ 今後の展望をお聞かせください。

小村 ベンチャーデットという領域を再定義したいです。自分自身も起業家として経営をしてきたことで、リスクを取りながらまい進している企業にリスクマネーを供給したいという思いが強くなっています。対象は未上場の企業とは限りません。

上場後時間がたっている企業でも、さらなる成長や事業拡大の志をもつ経営者は自社をベンチャーと呼びますし、地方の老舗企業で も、代替わりや新規事業の創出を機に第二創業期と位置づけ、頑張られている企業は少なくありません。リスクを取って世の中を変えようとする企業を全部ひっくるめて、ベンチャーデットの市場をつくりたい。チャレンジを続ける企業のファイナンスをサポートする存在になれたらと思っています。

金融市場に変革を起こすチャレンジを、堅実かつ自由に実現していくSiiibo証券。彼らが描く革新に満ちた未来に、今後も注目したい。

Siiibo証券
https://siiibo.com


小村和輝(こむら・かずき)◎Siiibo証券代表取締役CEO。ドイツ証券でトレーダーとして国内外の社債やクレジット商品全般を取り扱う。その後ブラックロック・ジャパンにて国内の運用会社・公的金融機関に向けたリスク分析および投資プロセスのアドバイザリー業務に従事した後、Siiibo(現 Siiibo証券)を設立。東京大学大学院工学系研究科修了(鳥海研究室)。

Siiibo証券株式会社
第一種金融商品取引業 関東財務局長(金商)第3230号
加入協会:日本証券業協会
※ Siiibo証券のサービスでは、口座開設、管理および投資に際しての手数料等はいただいておりません。ただし、お客様よりご利用の金融機関から送金する際の振込手数料はお客様のご負担となります。振込手数料はご利用の金融機関にご確認ください。
※ Sliibo証券のサービスで取り扱う少人数私募社債は元本及び利金が保証されているものではありません。事業者の財務、経営悪化等により、一部又は全部の損失が生じる可能性があります。詳細は、契約締結前交付書面等の内容をご確認ください。


Fintech Japan 2022 ~一般社団法人Fintech協会主催のカンファレンス~
Fintech業界の最前線で活躍する起業家や有識者、イノベーションのための制度改革に取り組む当局関係者などを招き、Fintech各分野における最先端の知見を発信する。そのなかで、オープンイノベーション実践の場として、スタートアップによるピッチバトルが行われた。事業の革新性や独自性、ユーザーが享受するベネフィット等を審査項目として審査した。

一般社団法人Fintech協会
https://fintechjapan.org


一般社団法人Fintech協会 │ text by Akiko Naruse | photographs by Yuta Fukitsuka | edit by Hirotaka Imai