米小売業界、一部が年末商戦を開始 ブラックフライデーが10月に?

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米国では、年末商戦が始まるのは感謝祭(11月の第4木曜日)の翌日、ブラックフライデーからとされてきた。だが、その日以前から「ホリデーセール」を行うことは、もはや“通常”になっている。

小売大手ターゲットは、今年はホリデーシーズン向けのセールを10月6日から開始し、特に同日から8日を「ディール・デイズ」として、過去最大規模のプロモーションを行うと発表した。

同社のエグゼクティブ・バイスプレジデント兼最高事業成長責任者のクリスティーナ・ヘニントンは発表文で、多くの人が家族や友人と集まって過ごす大切なこの時期をより楽しく快適に過ごせるものにするため、年末商戦を「かつてない時期にまで前倒しして」開始することにしたと説明している。

一方、マーケティングと顧客関係管理サービスなどが専門の米インセンディオ(Incendio)のチーフアクセラレーター、ジェン・マクミランは、「年末商戦の開始日は、もはや存在しない」と指摘する。それは、「アマゾンその他の小売業者のおかげで、一年中がその時期と同じになっているからだ」。

また、小売業者向けのソリューションを提供するアプトス(Aptos)のマーケティング・ディレクター、デイヴ・ブルーノは、「ホリデーシーズン」が指す時期をあまり長くすることには賛成できないとしながらも、「ターゲットの戦略を疑う理由はない」との見方を示している。「他にも多くの小売店が10月上旬から同じようなプロモーションを始めても、驚きではない」という。

米CNBCによると、ターゲットはこの期間中、年末商戦向けに最大10万人を雇用する計画だ。同社は昨年のホリデーシーズンにも、約13万人を採用している。

新規に採用する従業員の初任給は時給15~24ドル(約2200~3500円)とし、勤務時間・日数の設定には柔軟に対応、福利厚生サービスも提供し、優秀な人材には、この期間以降も勤務を継続してもらいたい考えだ。約30%は、年末商戦後も勤務の継続を希望すると見込んでいる。
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編集=木内涼子

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