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2022.10.08 12:00

優れた商品のセレクトショップ|中山亮太郎×小山薫堂スペシャル対談(前編)

Forbes JAPAN編集部
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挑戦を後押しできる企業に


小山:それが今回、この3月に開催された「RED U-35」とマクアケの協業による食の未来に貢献するプロジェクト「未来のための一皿」に結実した。

中山:はい。歴代の「RED U-35」において優秀な成績をおさめた「CLUBRED」所属の若手料理人8名が、これまで廃棄の対象だった部位の食材や地場産食を使ったレシピ・商品を考案してくださいました。

小山:今回は一般の皆さんが8人それぞれの商品を応援購入して終了したけれど、次回は「試食審査の権利」も販売してみたらどうでしょうか。自分でお金を払ってでも食べて審査してみたいという人は、案外多いんじゃないかな?

中山:それは面白いですね! 確かに一般の方々の手を借りたことは過去にもあって、例えばサンリオさんでは、目標金額が達成したら“推しキャラクター”の超ビックサイズのクッションと暮らせるというプロジェクトがありました。どんなに優れた商品や企画であっても、「ファンが入り込める余白のあること」がいまは重要だと思います。

小山:あと、これは僕個人の意見ですが、食料廃棄のような大きな社会問題を料理だけですべて解決することは困難だと思う。ただ、「キャビアフィッシュ・チョウザメの大量廃棄を防ぐ」という名目でチョウザメの身を主役にしたフレンチコースが開発されたじゃないですか。その話を見聞きするだけでも食料廃棄について考えるきっかけ、気づきは与えられるんだなと感じました。

中山:そうですね。料理人が料理の腕とセンスで社会問題の解決を考えること自体はとても爽やかなこと。その挑戦を後押しできる企業でありたいです。(次号に続く)

今月の一皿



レモンの香りのするバジル「メンラック」でつくったジェノベーゼパスタ。ベトナム駐在の経験がある中山をイメージして。

blank



都内某所、50人限定の会員制ビストロ「blank」。筆者にとっては「緩いジェントルマンズクラブ」のような、気が置けない仲間と集まる秘密基地。


中山亮太郎◎1982年、東京都生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。2006年、サイバーエージェントに入社。ベトナムでのベンチャーキャピタル事業担当を経て、13年に現在のマクアケを設立し、代表取締役社長に就任。19年に東証マザーズ上場。

小山薫堂◎1964年、熊本県生まれ。京都芸術大学副学長。放送作家・脚本家として『世界遺産』『料理の鉄人』『おくりびと』などを手がける。熊本県や京都市など地方創生の企画にも携わり、2025年大阪・関西万博ではテーマ事業プロデューサーを務める。

写真=金 洋秀

この記事は 「Forbes JAPAN No.098 2022年10月号(2022/8/24発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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