経済・社会

2022.10.05 12:00

米連邦債務が31兆ドル突破、「上限引き上げ」でデフォルト回避へ

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Photo by Chip Somodevilla/Getty Images

米財務省は10月4日、米連邦政府の総債務が初めて31兆ドルを超えたと発表した。高水準のインフレと金利の上昇が続く中、米国の債務は増え続けている。

財務省のデータによると、米国の総債務は、1月末に30兆ドルの大台を超えた後、10月3日に31.1兆ドル(約4475兆円)に達したという。

連邦準備制度理事会(FRB)は、歴史的な高インフレに対抗するために金利を引き上げており、政府の金利負担も増している。ただし、現状では毎月の財政収支はパンデミック時から大幅に改善しており、今年の1月と4月には黒字を記録していた。

連邦政府の債務上限は現在、31.4兆ドルと決められており、デフォルト(債務不履行)を回避するために議会は来年初めまでに上限を引き上げる法案を可決する必要がある。議会は、前回の2021年12月に、2.5兆ドルの引き上げを可決していた。中間選挙で共和党が上下両院を掌握した場合、債務上限引き上げをめぐる党派闘争が勃発する可能性がある。

連邦政府の債務残高は、オバマ政権が誕生した2009年に10.6兆ドルだったが、2019年末には22.7兆ドルに達していた。さらに、パンデミックの中で急拡大し、今年1月に30兆ドルに達していた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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