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2022.09.20 08:30

多くの会社が見逃す、重要なプロジェクトマネジメントのステップ

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チームがそもそも成功を信じていない困難なプロジェクトを、なんとか前に進めることほど不快なことはなかなかない。

プロジェクトの範囲や予算、スケジュールなどを守ることだけでも難しいのに、チームが「なぜこんなことをしているんだ?」と頭をかいている状況はさらにまずい。

こうしたプロジェクトには、これまで長年成功を収めてきた製品デザインを変えたり、既に効率的なプロセスのデザインを変えたり、現実を理解していない役員が始めた中途半端なアイデアを実行したりといったことが関わっているかもしれない。

こうした「失敗」プロジェクトにチームが行き詰まってしまうのは、会社がプロジェクトでまず初めに行うべき「立ち上げ」のステップを踏まなかった場合であることが多い。

大半の人は、プロジェクトマネジメントの最初のステップは「計画」だと誤って考えているが、実はそうではない。計画の段階に進む前にアイデアや概念をきちんと吟味すべきで、これが立ち上げの目的だ。アイデアが表面的に聞こえがよいからといって、それをプロジェクトとして実行するのに必要とされるリソースを必ずしも消費すべきわけではない。

プロジェクトが実際に価値あるものだと確認するための段階がまさに立ち上げだ。全ての一見素晴らしいアイデアを実際に本格的なプロジェクトに発展させるべきと思う人もいるかもしれないが、必ずしもそうではない。

重要な立ち上げの段階を飛ばしてしまったように見受けられる有名なプロジェクトの例は、おそらく新コーラの開発だろう。

今では想像しづらいように感じるかもしれないが、ザ・コカ・コーラ・カンパニーは1985年、想像できないことに踏み切った。それは、おそらく同社の成功の中核だったコーラのレシピを変更することだった。

目隠しテストの結果、顧客は全体としてより甘味の強い新たなコーラを好んでいるという結果が示されたが、同社の意思決定のプロセスでは他に加味されていないように思われるリスクがあった。

米誌タイムの「Top 10 Bad Beverage Ideas(飲料に関するまずいアイデア トップ10)」の記事は、次のように述べている。

「同社は、米国を象徴する同ブランドに対して人々が持つ感情的な愛着をひどく過小評価した。ジョン・ペンバートン博士が1886年に初めてコーラを調合した米南部では特にそうだ」

同誌はさらに「同社には電話が殺到し約4万通の手紙が寄せられるとともに、大量の否定的な報道があった。その結果、この方針は3カ月後に撤回され、同社はコカ・コーラ『クラシック』を復活させると発表した」と述べている。
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翻訳・編集=出田静

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