キャリア・教育

2022.09.02 07:00

退社面接と2週間の通知期間を廃止する時期がきた

安井克至
1977

Getty Images

何十年もの間、米国の企業は厳格なオフィスのスタンダードを維持してきた。経営陣は、全員がオフィスで仕事をすることを要求していた。メンタルヘルスのための休日も、リモートやハイブリッドといった柔軟なオプションもなかった。従業員は最低でも5年から10年は会社に留まることが期待されていた。しかし、パンデミックによって、このような形式的で制限の多いプロトコルはほとんど変わった。しかもまだいくつかの慣習が見直す必要にあり、廃止することもあるかもしれない。そう、「退社面接」と「2週間の予告期間」を廃止するときがきたのだ。

なぜ2週間前に通知しなければならないのか?


ほとんどのジョブオファーには「at will(会社都合)」という条項が含まれている。つまり、いつでも解雇される可能性があるということだ。コスト削減のための企業再編であろうと、上司が期待に応えていないと判断した場合であろうと、労働者はすぐに解雇される可能性がある。人事部に行って書類に記入した後、工場や物品を段ボール箱に詰めているところを太った警備員に睨まれ、犯罪者のようにビルから追い出される。一方、自分の意思で退社する場合は、2週間もしくはそれ以上の事前予告が必須とされている。

よく考えたらこの習慣は意味不明なものではないだろうか。マネジメント側は通常、退社を申し出ても手伝いのために長くいるようにするため、数週間は在籍しなければならない。

会社があなたに、他の人に仕事を引き継ぎさせようと望むのは合理的なことだ。社員は豊富な知識を持っており、それを他の人に提供することで、あなたがいなくなってもその知識が失われる心配はなくなる。仕事仲間にも別れを告げたいことだろう。

しかし、今や社内で「裏切り者」と思われてしまうようになるのだ。「もうここで働きたくありません。もっといい仕事、高い給料、自分を評価してくれる上司を見つけました」と言った人が、居座らされる。もう役に立たない社員であるあなたは、今、気まずい状況に置かれているのだ。時間が遅々として進まないので、何もせずにただ座っていたくはない。新プロジェクトを立ち上げても、それをやり遂げることができないのため意味がない。
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翻訳=Akihito Mizukoshi

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