経済・社会

2022.08.02 11:00

「9.11テロ遺族会」を激怒させたドナルド・トランプの前言撤回

952

Photo by Tasos Katopodis/Getty Images

ドナルド・トランプ前大統領は最近、サウジアラビアが出資するLIVゴルフツアーとの関係で非難を浴びている。トランプはかつて、9.11のテロ攻撃にサウジ政府が関与したと主張したが、今ではサウジを支援する側に回っている。

トランプは7月29日からニュージャージー州ベッドミンスターにある自身のカントリークラブでLIVゴルフの3回目のトーナメントを主催し、サウジの政府系ファンドに絶対的な忠誠心を表明した。

9.11テロの遺族会は、サウジ政府がテロ活動を支援したと考えており、トランプに批判の矛先を向けている。

トランプを非難するバイラル広告を出した「9.11ジャスティスグループ」の創設者のブレット・イーグルソンは、29日のCNNのインタビューで、「アメリカよりも金を優先するトランプ」を非難し、有権者からの支持を失った彼が、「基本的に死んだ」と主張した。

トランプは、2016年に「サウジ政府が9.11テロに関与した証拠がある」と主張したにもかかわらず、28日に「残念ながら誰も9.11の真相を解明していない」と発言して非難を浴びた。

2021年にLIVゴルフが設立されて以来、サウジ政府がその劣悪な人権問題を覆い隠す手段としてこのツアーを利用しているという非難が広まっている。初期の批判は、同国の事実上の支配者のモハメド・ビン・サルマン皇太子が2018年に起きたワシントン・ポストのコラムニスト、ジャマル・カショギの殺害に果たした役割に集中していたが、最近では2001年9月11日の同時多発テロへのサウジ政府の関与に焦点が当たっている。

FBIが昨年公開した文書には、ハイジャック犯のうち2人がサウジ政府職員と交流していたと記されていた。また、19人のハイジャック犯のうちの15人がサウジ国籍だったとされる。

9.11テロで弟を亡くしたデニス・マッギンレーは、トランプがLIVゴルフのイベントを主催することで、「胸が張り裂けるような気分にさせられた」と、28日のCBS Newsのインタビューで語っていた。

フォーブスの集計によると、昨年、世界で最も稼いだゴルファーは、フィル・ミケルソン、ダスティン・ジョンソン、ブライソン・デシャンボー、ブルックス・ケプカの4人で、彼らはLIVゴルフから多額の前払い金を受け取っていた。

編集=上田裕資

ForbesBrandVoice

人気記事