ビジネス

2022.07.20 06:30

部下に過干渉なマイクロマネージャーが犯す4つの過ちとその対処法

安井克至
2706

マイクロマネジメントの考え方は、リーダーが仕事で直面する極度のストレス、コントロールの必要性、壁に突き当たったようなプレッシャーから生じることが多い

最近、私のワークショップに参加した人からメールが届いた。ここではスティーブと呼ぼう。彼は、職場のストレスフルな状況について私に相談したいとのことだった。電話で話すと、スティーブは何カ月か前に新しい職場に入ったときの興奮を話してくれた。初日に机を並べていると、別の同僚がオフィスに入ってきて座ったそうだ。その同僚は「君はここで1年以上はもたないだろう」といったという。

その同僚は、スティーブの新しい上司が、優秀な人材をすぐに追い出すことで知られるマイクロマネジャーであることを説明した。残念なことに、その同僚は正しかった。スティーブが私に連絡してきたのは、その仕事を始めて1年近く経った頃で、彼は燃え尽き、新しい仕事を見つけるためにできることは何でもしているという状態だった。

私がチームと仕事をするとき、どこかにマイクロマネジメントを行うリーダーが潜んでいることがよくある。従業員のモラルの低下、生産性の低下、離職率の高さは、すべてマイクロマネジメント的な行動と関連している。また、マイクロマネジャーは、燃え尽き症候群のリスクも高める。さらに悪いことに、マイクロマネジメントは心理的安全性を破壊し、部下が情報を隠す可能性が高くなり、小さな問題がすぐに一大事へと発展してしまう。

マイクロマネジメントの考え方は、悪意や害意があるというよりも、リーダーが仕事で直面する極度のストレス、コントロールの必要性、壁に突き当たったようなプレッシャー(あるいは、そう感じている)から生じることが多いのだ。マイクロマネジャーは、自分が少しでもコントロールを放棄すると、物事がうまくいかなくなり、自分が非難されると思い込んでいる。そのため、このような間違いを犯しがちだ。

間違い1:自主性をつぶす


マイクロマネジメントとは、しばしばコントロールのことであり、マイクロマネジャーはあらゆる行動を指示したがるものだ。チームと共同で確認スケジュールを組むのではなく、チームメンバーをチェックすることが多い。リーダーはチームに明確な戦略的目標を与える必要があるが、その目標を達成するための多様な方法について、チームメンバーの考えを尊重する必要がある。

間違いその2:本当の意味での支援をしない


マイクロマネジャーは、仕事に関して多くの質問をするが、チームメンバーが軌道修正するのを助けず、発生した問題や課題を思慮深く分析することもしない。チームと効果的に協働するリーダーは、別の説明や解決策に耳を傾ける姿勢も持ち合わせているものだ。

間違いその3:すぐに非難してしまう


マイクロマネジメントを行うリーダーは、ミスや問題が発生すると、真っ先に外部に責任を転嫁することがよくある。そうすると、チームメンバーは、障害について率直に話し合うよりも、見栄えを良くすることに集中し、何か問題が起こることを恐れて生活するようになる。

間違いその4:情報をため込んでしまう


チーム内で一貫して情報を共有することで、自律性と適性という重要な心理的ニーズが生まれる。さらに、エネルギー、学習、成長の強力な組み合わせである「活力」を築き、燃え尽き症候群になるのを遅らせることもできる。チームメンバーが自分の仕事をうまくこなすために十分な情報を持っていれば、十分な情報に基づいた適切な意思決定ができる可能性が高まる。さらに、問題を迅速に発見し、行動を調整することができるため、チームのレジリエンス(回復力)にとって重要だ。また、幅広い情報共有によって、自分の仕事がより大きな仕事のシステムの中でどのように位置づけられるかを、個人がより深く理解することができるようになる。
次ページ > 欲しいものはすぐに手に入るが、後で大きな代償を払う

翻訳=Akihito Mizukoshi

ForbesBrandVoice

人気記事