経済・社会

2022.07.06 16:30

原油価格、2カ月ぶり100ドル割れ 景気悪化なら60ドル台も視野

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Getty Images

5日のニューヨーク商品先物市場で原油相場が急落し、北米の価格指標となるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油の先物は約2カ月ぶりに1バレル=100ドル(約135円)を割り込んだ。市場関係者の間では、景気悪化によって需要が大幅に落ち込んだ場合、原油相場は年内に60ドル台まで下がるとの見方も出ている。

WTI先物の期近物はこの日、前営業日比に比べ約8%安の約99ドルで取引を終えた。欧州での指標となる北海ブレント原油の先物も記事執筆時点で103ドルほどで取引されている。

これより前に原油相場が100ドル割れしたのは直近では5月上旬。その後反発したものの、6月にはリセッション(景気後退)による世界的な需要後退への懸念からWTI、ブレントともに月ベースで半年ぶりに下落を記録している。

今後、原油相場はさらに下落すると見込む市場関係者もいる。シティのアナリストらは5日のリポートで、リセッションに陥る可能性が高まるなか、原油は需要の減少や過剰供給によって値下がりする公算が大きいと指摘。ブレントは今年末までに65ドル、来年は45ドルまで下がる可能性があると予想している。

原油相場はここ数週間はおおむね落ち着いているが、年初からは15%上昇している。3月上旬には、西側諸国がロシアのエネルギー輸出に科した制裁の影響への懸念から約140ドルの高値をつけた。

オアンダのシニアマーケットアナリスト、エドワード・モヤは、「リセッションへの懸念によって原油需要の見通しは損なわれているが、原油相場はすでに3月の高値から17%ほど下落しており、さらに大きく落ち込むことはないのではないか」と強気な見方を崩していない。

編集=遠藤宗生

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