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2022.02.21 12:00

株価暴落の宇宙旅行ヴァージン・ギャラクティック会長が辞任

チャマス・パリハピティヤ(Mike Windle/Getty Images for Vanity Fair)

宇宙旅行会社「ヴァージン・ギャラクティック」の2019年の上場に貢献した著名投資家のチャマス・パリハピティヤが2月17日、同社の取締役会長職を突如辞任した。パリハピティヤは、自身が設立したSPAC(特別買収目的会社)との合併により、ギャラクティック社を含む複数の企業を上場させており、「SPACキング」と呼ばれている。

ギャラクティック社の株価はここ8カ月間で80%以上も暴落している。

ビリオネアのリチャード・ブランソンが2004年に設立したギャラクティック社は、18日朝に提出した規制当局への報告書の中で、パリハピティヤの辞任は同社との意見の相違が生んだ結果ではないと主張し、現在45歳の彼が「他の機会を追求していく」と述べた。

パリハピティヤの辞任に伴い、ブランソンが率いる複合企業ヴァージン・グループの長年の取締役会メンバーのエヴァン・ラヴェルが、暫定的にギャラクティック社の会長を務めるという。

ギャラクティック社のCEOのマイケル・コルグレイザー(Michael Colglazier)は声明の中で、投資会社ソーシャル・キャピタルを通じ多くの企業を上場させてきたパリハピティヤが新たな機会を追求することについて、「その時が来ることは以前から分かっていた」と述べている。

パリハピティヤは今から約1年前に、ギャラクティック社の個人の持ち株の残りの全てを2億ドル(約230億円)以上で売却していた。ギャラクティック社の株価は、ブランソンによる初の宇宙旅行の前の6月に史上最高値の57.51ドルを記録したが、そこから約80%以上も下落し、現在は9ドル以下で取引されている。

同社の株価は、今回の発表を受けて17日朝に前日の終値の9.01ドルから約0.2%上昇した。

ギャラクティック社の株価は昨年、個人投資家が殺到したことで3倍近くに上昇したが、熱狂が冷めると暴落した。

急成長している宇宙関連の企業の株価は、変動が激しい状態だ。ギャラクティック社やマクサー・テクノロジーズ、ロッキード・マーチンなどを上位の保有銘柄とする宇宙関連のETFの「S&P Kensho Final Frontiers ETF」は、昨年夏につけた史上最高値から15%近く下落している。

編集=上田裕資

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