自動化で従業員は幸せになるのか 米大チームが検証

Andrey_Popov / Shutterstock.com


結果、仕事が自動化の影響を受けている人は、仕事で感じるストレスが少ないものの、健康度や仕事への満足度が比較的低いとみられることが明らかになった。こうしたリスクは、自動化リスクが最も高かった役割で特に顕著だった。

研究チームは例として、トラックの運転が自動化された場合、運転手は助手席に座るだけでよいので仕事が楽になりストレスは減るものの、努力が必要とされず、仕事の意義がなくなると説明。「自動化により仕事が楽になる一方で、自分が最適化されてしまう」と指摘した。

「常に監視され、見られ、測定される。(新型コロナウイルス)のパンデミックの最中では、職の安定や安全は感じられない。こうしたものの積み重なりかもしれないが、ストレスの低下に関連したこうしたメリットは消えつつある」

研究チームは、これは多くの異なる要因が同時に作用する動的なプロセスだと指摘している。例えば、ストレスは悪いものであることが多いが、少な過ぎれば退屈になるため、バランスが重要だ。

一方、はっきりした傾向として、労働者は自律性を非常に重視していた。つまり、テクノロジーの導入により仕事での自律性が下がれば、悪い結果につながるだろう。

研究チームは次のように指摘している。「政策決定者や企業が悪影響に対処する方法としては、労働者に状況を共有し、権限を与えたり、プロセスに関与させたりすることがある。そうすれば、労働者は自分が自律性を失い、機械に監視・支配されていると感じないで済む。企業が従業員をどのようにプロセスに関与させるかが、とても重要だ」

編集=遠藤宗生

ForbesBrandVoice

人気記事