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2021.12.21 07:00

米フォーブスが選ぶ、2021年版「フィンテック50」


PERSONAL FINANCE パーソナル・ファイナンス


収支、節約から貯蓄、資産運用まで、コロナ禍で多くの人が改めて家計管理について考えただろう。デジテル銀行が5社も選ばれたのは偶然ではない。

Greenlight グリーンライト


子供向けのデビットカードと投資を手がけるユニコーン企業。子供に個人資産運用の基本を教え、金融リテラシーを身につけさせることを目指す。飛躍の源となった製品は、親が追跡・管理できるデビットカード。お手伝いの進捗の追跡、お小遣いの自動入金、貯蓄目標の設定といった機能も人気が高い。アプリのねらいは、子供に望ましい習慣を身につけさせること。コロナ禍のなか、同アプリを通じた子供たちからの寄付は、わずか1カ月で25%も増えた。

グリーンライトは昨年、2件の新規プロジェクトの立ち上げを進めた。10月、「JPモルガン」との提携を発表。6歳以上を対象にお小遣いや支出の管理といった機能を当座預金口座に組み込んでいく。今年1月には投資プラットフォームを発表。投資アプリ「ロビンフッド」に似ているが、対象はまだ投票権をもたない年齢の子供たちで、アプリ内の安全な情報源を使って株式銘柄についてリサーチし、親の承認があれば投資できるという仕組みだ。いま、子供たちは主に単元未満株を平均20ドルで売買しており、「アップル」「マイクロソフト」「テスラ」が特に人気だ。ティム・シーハンCEO(51)は、同社アプリで実際に投資をしている世帯の数を公表していないが、予測の倍を上回る申し込みがあると話す。

アプリの使用にはあくまで料金が発生するため、低所得の家庭では使用に慎重になると見られる。だが、子供やティーン向けの資産管理ツールは、学資ローンの返済に苦しむ人が増えるなかで成長する世代にとって、より望ましい経済状況を整えるために役立つ可能性を秘めている。

Current カレント


2017年に10代向けのデジタルバンクとしてスタート。19年に大人向け口座の開設も始めた。カレントで初めて口座を持つ人も多い。100ドルまでの当座貸越、予算管理、デビットカードなどの機能もある。

Dave Inc. デイブ Inc.


クマのマスコットで知られ、デジタルバンキングアプリを提供する。銀行を身近なものにすることを目指し、当座貸越手数料が不要な当座預金、自動予算管理、クレジットスコアの構築サービスを提供する。

Esusu イースースー


生活する上でクレジットが欠かせない米国で、低所得者の家賃支払い状況を信用機関に報告することで信用度を高めるサービスを提供。誰もが疎外されることない、財務的に健全なコミュニティづくりを目指す。

Klarna クラーナ


フィンテックの「いま買って、後で払う」モデルの先駆者。スーツから小物まで、あらゆる商品の分割払いを可能にした。ニューヨークファッションウィークにSTYLE360のスポンサーとして参加。

Propel プロペル


モバイルアプリ「Fresh EBT」を提供。店舗のクーポンのデジタル化や求人情報の検索、社会保障サービスへのアクセスを支援。低所得者が抱える問題の解決をテクノロジーでサポートする。

MoCaFi モカファイ


フィンテック・社会起業家、ウォーレ C.コーサムが2015年に立ち上げたモバイルファーストバンキングのスタートアップ。MoCaFiはMobility Capital Financeの略。地方自治体や非営利団体と提携することで、さまざまな理由で従来の金融サービスにアクセスできない人々に、政府の特典や地域の割引、給与の直接振り込み、小切手のスキャン、デビットカード、請求書の支払い、クレジットヒストリーの作成、金融コーチング、さらにはローンも組める、手数料無料の統一口座を提供する。

連邦預金保険公社(FDIC)の最新の調査によれば、19年、米国の主な都市で銀行口座を持たない黒人世帯は13.8%、ヒスパニック系世帯は12.2%だったのに対し、白人世帯はわずか2.5%。そして銀行口座を持っていない住民の比率は、都市部が郊外の2倍以上だった。銀行口座を持たない人は、残高要件の高さや、銀行や銀行手数料に対する不信感を理由に挙げることが多いが、口座がなければ小切手現金化サービスや郵便為替、給料日ローンなどでさらに高い手数料を支払うことになる。

昨年12月初旬、パンデミックで観光業が大きな被害を受けたホノルルでは、町の象徴であるビーチや高層ビルがデザインされたMastercardデビットカードが住民に配られ、食料品店やコンビニエンスストアでの買い物に使える500ドルがチャージされた。また11月には、ロサンゼルス市ともパートナーシップを締結。間もなく米国第2の都市の住民に、市が資金を提供するプリペイド式デビットカード(Angeleno card)を提供し、家賃の軽減やその他の補助金を提供することになっている。

Tala タラ


スマートフォンのデータを利用し、メキシコ、フィリピン、ケニア、インドで借り入れ履歴のない顧客に10〜500ドルの融資を行う。創業者兼CEOのシバニ・シロヤは、西アフリカでマイクロクレジットに触れた。

Truebill トゥルービル


ミレニアル世代を対象に、予算管理、クレジットのモニタリング、購読契約のキャンセルなど資産管理をサポートするアプリを提供。財務状況の把握や節約、貯蓄などユーザーの経済生活をサポートする。

Varo バロ


2015年設立のデジタルバンク。当座預金、ATM、100ドルまでのキャッシング、年利最大3%の貯蓄口座を提供する。8月には国法銀行の設置認可を取得。ローンを含むより多くの商品を提供できるようになる。

Chime チャイム


デジタルバンク。手数料無料のチェック口座、デビットカード、最大200ドルまでの当座貸越を提供。昨年は、政府からの補助金の受け取りや新たな担保付きカードの発行でユーザー数が増えた。
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edit by Jeff Kauflin and Janet Novack Reported By Maria Abreu, Nina Bambysheva, Margherita Beale, Jason Bisnoff, Michael Del Castillo, Steven Ehrlich, Antoine Gara, Eliza Haverstock, Jeff Kauflin, Jonathan Ponciano & Kristin Stoller | illustration by

この記事は 「Forbes JAPAN No.086 2021年10月号(2021/8/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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