30U30

2021.11.17 08:00

メンタルヘルスケアに注力、女性最年少のユニコーン企業CEO



2021 Forbes 30 Under 30 Summitにて(Taylor Hill/Getty Images)

米国では、メンタルヘルスケアが不足している地域に約1億1200万人が暮らしているうえ、民間の医療保険を受け入れている精神科医は56%しかいないため、これはメンタルヘルスケアへのアクセスを拡大するための重要な一歩だ。

スプリングヘルスのシードラウンドからシリーズCまで出資を続けているリシンク・インパクトの創業者兼マネージングパートナー、ジェニー・エイブラムソンは、「99%の人のための技術は大きなビジネスです。このケースの場合、雇用者が関心を示すのは、彼らの利益に関わることだからです」と話す。

「年によって数字に変動はありますが、従業員のおよそ7%が職場のストレスが原因で入院しています。さらに、50%の従業員がストレスで仕事を休んでいます。これは大きな問題です」

大手食品会社ゼネラル・ミルズのトータルリワード担当バイスプレジデント、クリス・ブランソンもそうした統計を見たことがあり、従来の従業員支援プログラムは利用率がとても低い(わずか1~5%のケースもある)ことをよく知っている。そこで、ブランソンのチームは2021年1月、3万5000人いる従業員にスプリングヘルスを導入した。ブランソンによれば、従業員はすぐさま関心を示し、それがあらゆる職種に広がっていったという。

「本社の状況に目が行きがちですが、弊社はメーカーであり、従業員の大多数が製造拠点で働いています。私たちは、従業員のネットワーク全体に展開できるスケーラブルなソリューションを必要としていました」。QRコード付きのメールでスプリングヘルスを紹介し、従業員が上司や人事部門を通さず登録できるようにしたとブランソンは説明する。

ケアや治療の提供者とマッチングされたら、従業員は2日以内にその人物と会うことができる(コーによれば、スプリングヘルスは2日の待ち時間を超過したことがないという。この分野では20~30日待つのが一般的だ)。

シリーズCラウンドを無事に終えたコーは今、短い内省のときを過ごしている。ユニコーン企業の女性最年少CEOになったことについては、「とても名誉なことであり、誇りに思っています」と語った。しかし同時に、未来にも目を向けている。近い将来の目標はIPOだ。

「単にIPOすることだけが目的ではありません。むしろ、メンタルヘルスに対して可能な限り大きな影響を与える永続的な企業をつくることを目指しています」

翻訳=米井香織/ガリレオ

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