スタンフォード大学、気候問題と持続可能性の専門学部を新設

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米スタンフォード大学は2021年7月29日、気候科学分野で大きな一歩を踏み出し、気候と持続可能性をテーマにした学部を新設すると発表した。2022年秋に始動する新しい学部には、既存の学科や研究所などがいくつか吸収されるほか、将来的には拡張される予定だ。この学部新設によりスタンフォード大学は、多数の有力大学に先駆けて、地球規模の気候問題と解決策を研究する分野の最前線へと躍り出ることになりそうだ。

名称はまだ決まっていないが、スタンフォード大学での学部新設は70年ぶりになる。この新学部の構想を練ったのは、教職員で構成された計画諮問委員会だ。およそ1年にわたって、新設学部の選択科目を検討したり、組織構造について提言を行ったりしてきた。

この教職員による委員会に加えて、学生9人で構成されるグループも会合を開き、新学部のビジョンを描いたリポートを完成させている。また、併合される学科や研究所の職員も、学部構想に参加した。

スタンフォード大学のマーク・テシェール・ラヴィーン(Marc Tessier-Lavigne)学長は声明で、「スタンフォード大学は、我々の住む地球が直面している脅威の規模と緊急性に立ち向かうため、70年ぶりに学部を新設するという歴史的な一歩を踏み出した」と述べた。「新部門では、教職員が協力しあいながら、分野横断的なテーマを取り上げる。また、大学全体から得られる専門知識を、アクセラレーターが問題解決に向けて統合する。そのようにして私たちは、人類が何よりも優先すべき課題に向けてリソースを組織化する。その課題とは、全人類と自然システムが調和して持続可能的に繁栄できる未来の構築だ」

新設学部に併合されるのは、地球・エネルギー・環境科学部、ウッズ環境研究所、プリコート・エネルギー研究所、土木環境工学科(工学部と共同)、ホプキンス海洋研究所の施設だ。それらの学部や研究所に所属する研究者のほかに、今後は新規採用者、ならびに他の学部や学科からの教職員も加わり、増員される予定だ。
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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