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2015.05.02

引退したら暮らしたい理想の20カ国




定年を迎えたら、いまの日常生活から脱出して新しい人生を海外で送りたい読者もいることだろう。
そんな人たちのために、おすすめの移住先20カ国を厳選した。さて、あなたならどこで暮らしてみたい?

確かに、海外で余生を送るのは誰にでもできることではない。新しい生活環境のなか、いままでとは異なる文化に戸惑いつつ、親戚や友人からも遠く離れて暮らす生活。それに、言語の壁や医療体制への不安などなど……。
だが一方で、大自然に囲まれ、芳醇な歴史文化を満喫しつつ、安い生活費で素晴らしい人生を送れる可能性もある。
そこで、「フォーブス」は、そのような夢を実現できる「引退したら暮らしたい理想の20カ国」を選んでみた。

このリスト作成するにあたって、とりわけ重視したのが、1.物価が安い、2.医療面が安心、3.移住がしやすい、4.英語が通じる、5.気候が最高、6.文化が魅力的、といった点だ(地図上のアイコンが、その国の魅力を示している)。
政治体制が安定していることも重要な点である。だが、過去の紛争国であるコロンビアやクロアチアも、現在の状況を鑑みて選定している。
もちろん、人によって求めるものは異なるだろう。それでも、このリストを肴さかなに、自分の老後の生活に思いを馳せるのも悪くはないはずだ。


オーストラリア
過ごしやすい気候に、一日中のんびりしたくなる魅惑的な浜辺、低い犯罪率……。人気の移住先は、ブリスベン。ただ、物価が高いのは考えもの。

ベリーズ
ユネスコの世界遺産であるベリーズ・バリア・リーフ保護区と、世界で最も美しい島といわれるアンバーグリス・キーは、“目の保養”にもなるだろう。

カナダ
地方なら生活費が手頃で、壮大な自然が満喫できる。特に人気なのが、ジョージア海峡沿いのサンシャイン・コースト地域。ただ、長期滞在が難しい。

チリ
年金収入は課税されないこともあり、移住者多数。特に人気なのが、リゾート地のビーニャ・デル・マール。毎年2月に南米最大の音楽祭が開かれる。

コロンビア
かつては麻薬と暴力の温床だったが、いまは人気の移住先に。天候、景観ともに素晴らしく、物価も安い。旧宗主国スペインの面影が街並みに残る。

コスタリカ
政情不安な国が多い中米にあって、安定した政治体制は移住者にとって好印象。しかも、月1,000ドル(約12万円)の収入があれば居住権を得られる。

クロアチア
風光明媚なアドリア海沿いの街は観光客にも人気。イストリア半島や中世の港町ドゥブロヴニクなどがおすすめだ。日本からの直行便がないのが残念。

エクアドル
“大自然の宝庫”であるガラパゴス諸島を抱えるなど、自然に囲まれて暮らしたい向きにはまさに天国。アンデス山脈に囲まれた街、クエンカが人気。

フランス
食事と医療制度は魅力的。税率は高いが、海外からの移住者は一部控除される。首都パリを避け、アルプス山脈に近いボルドーやリヨンで暮らしたい。

アイルランド
美しい自然と神秘的なケルト文化が出迎えてくれる。大西洋に突き出た港町ディングルや、世界屈指のゴルフコースのある街、バリーバニオンが人気。

イタリア
温暖な地中海性気候は過ごしやすく、食事は美味しく、医療制度も充実。都市部もよいが、マルケ州やアブルッツオ州の田舎で過ごすのもまたよし。

マレーシア
暑いうえに湿度も高いが、物価は低く、豊かな多文化は魅力的。英語を話す人も多い。マラッカ海峡沿いのジョージタウンは暮らしやすい。

メキシコ
どの街も美しいが、スペイン植民地時代のコロニアル建築が立ち並ぶサン・ミゲル・デ・アジェンデがおすすめ。ただ、危険な国境付近の街は避けるべし。

ニカラグア
政情不安は過ぎ去り、政府は大自然をウリに観光客を誘致している。スペイン植民地時代の面影を残すグラナダは、まさに同国の“宝石“と呼べる。

パナマ
年金生活者には税金の控除があり、医療制度はトップレベルで、物価は安いと三拍子そろっており、安定した老後を過ごしたい人には打ってつけだ。

ポルトガル
海外からの移住者向けの福利厚生が充実しているなど、隠れた理想郷。人気の移住先は、大西洋沿いで首都リスボンの南方にあるアルガルヴェ地方。

スペイン
「情熱の国」らしく人は温かく、多くの芸術家を輩出しているとあって文化も豊か。おすすめの街は、地中海沿いのコスタ・デル・ソル(太陽海岸)。

タイ
温暖で過ごしやすく、医療制度は安価ながら確か、そのうえ生活費が安い。親日国としても知られる。政治絡みのデモが多いのが難点か。

フィリピン
移住者向けの優遇税制措置があるなど、海外で老後を過ごしたい人にはやさしい国。気候が涼しめな首都マニラ近郊の避暑地タガイタイがおすすめ。

ウルグアイ
日本のように四季がはっきりしているが、冬は雪が少なめで、夏は大西洋沿岸の浜辺が楽しめる。ただ、南極に近いこともあり、冬は寒い。

ウィリアム・バレット = 文 フォーブスジャパン編集部 = 翻訳

この記事は 「Forbes JAPAN No.10 2015年5月号(2015/03/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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