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2020.07.23 07:30

もうまずいとは言わせない 3Dプリンター活用で進む「代替肉」研究

代替肉はもうベジタリアンのものだけではない(Getty Images)

日本でも注目が集まりつつある、サステナブル食品。肉の消費量を減らす必要性を訴えるだけでなく、世界では植物由来の肉が開発され始めています。世界経済フォーラムのアジェンダからご紹介します。


・毎年、何十億もの動物が食用として飼育され、屠殺されています。
・これには大量の水とエネルギーが使われています。
・一部の専門家は、代替策が人と環境により良い結果をもたらすと考えています。

毎年、何十億もの動物が食用として殺されています。実際、2年間で屠殺された動物の総数は、これまで生を受けた人間の数を超えています。

あなたが肉好きかどうかは別にして、その生産に膨大な量の天然資源が消費されていることは見過すことのできない事実です。1kgの牛肉の生産には、1万5000リットルの水が必要です。

多くの研究では、肉の消費量を減らすことの健康上のメリットも強調されています。医学専門誌JAMA Internal Medicineでは、1週間に2食分の赤身肉、加工肉または鶏肉を食べると、心血管疾患のリスクが3〜7%高まることが報告がされています。

3Dプリンターで作る「代替ステーキ肉」


当然のことながら、肉の代替品への関心も高まっています。

イスラエルのスタートアップ企業、リデファイン・ミート社は、産業用3Dプリントを活用し、実物と似た構造と質感の植物をベースとした「代替ステーキ肉」を作っています。

同社CEO兼共同創業者のエスチャー・ベン・シトリット氏は、「私たちは、牛の一部分だけではなく、牛一頭を丸ごと作ることができる」と、ロイター通信社に語っています。

リデファイン・ミート社は、2019年に600万ドルの資金を調達しました。その金額は、「肉ではない肉」の市場がどれほど重要視されているかということを示しています。Voxの報告によれば、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が猛威を振るう中、 アメリカにおける代替肉の需要は264%急増しました。リデファイン・ミート社は、代替肉の分野が2030年までに年間1400億ドルに成長することを想定しています。

経済発展とともに人々は肥満化


肉、特に赤身肉を食べすぎることは、心臓病やある種の癌など、何十年にもわたる様々な健康上の問題に影響を与えると考えられてきました。肥満との関連も取り沙汰されており、アメリカでは、70%以上の人が太りすぎ、または肥満と報告されています。

中国では、経済発展がもたらした一連の社会的変化により、肉の消費量が増加しています。より目に見えるのは、急速な都市化と、より多くのファストフードや肉を食べるなどのいわゆるライフスタイルの西洋化ですが、その水面下では、人びとの健康の悪化の兆しが見え始めています。

2019年のマッキンゼーの報告書には、以下のようにまとめられています。「嘆かわしいことに、所得の増加に伴い、ウエストサイズも増えていきます。中国では、タンパク質と脂肪を多く含む食事が定着しており、放っておくと2030年までに都市部の肥満率は、25%にまで増加すると予測されています。すでに中国は、年間930億ドル以上、GDPの1.1%以上の費用を肥満に費やさざるを得なくなっています」
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文=Sean Fleming, Senior Writer, Formative Content

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