ビジネス

2020.07.20

シンガポールから世界17拠点に拡大も、AnyMind十河宏輔が日本に戻ってきた理由

AnyMind Group 共同創業者兼CEOの十河宏輔


売り上げは倍々「まだまだ伸びる」


2016年4月からスタートして、売り上げは1年目、2年目、3年目と倍々に伸びてきています。弊社の事業はオンライン広告などデジタル領域からスタートし、インフルエンサーマーケティング、HRTech事業と順番に出してきました。基本的には3事業ともに順調です。

特にマーケティングテックと呼んでいるデジタル領域のビジネス、要はインターネット広告事業についてはかなり安定的に顕著にこつこつ伸びてきているという状況です。規模もある程度大きくなってきているので、安定稼働に入っていると思っています。

次にスタートさせたインフルエンサーマーケティング事業は規模的にも大きくなっていますが、今後さらなる高い成長率が見込めるビジネスです。プラットフォーム事業と、いわゆるクリエイターマネジメントのビジネスモデルの両軸を手がけていますが、プラットフォーム事業も伸びていますし、クリエイターマネジメントの事業に関しても今、強力に伸ばしています。今後もクリエイターのビジネスはまだまだ広がりがあると思っています。

今、日本におけるインフルエンサー関連のビジネスモデルは、基本的にはまだ広告モデルにとどまっていることが多いです。クリエイターと広告主となる企業をマッチングし、クリエイターがコンテンツを配信し、広告収益をいただけるモデルです。今後、クリエイターやインフルエンサーのマネタイズポイントはどんどん多角化していくと見ています。

クリエイターとファンの方々のタッチポイントはどんどん増えていきます。自分のブランドをつくってECで販売したり、オンラインサロンを設けたり、課金モデルやクラウドファンディングモデルをはじめたり。非常に可能性を感じている事業の一つです。

いろんなビジネスラインを立ち上げていますが、大きく分けると「マーケティングテック」と「エンターテインメントテック」と「HRテック」の3領域で展開しています。基本的にこの3領域はまだまだ絶対伸びると思っています。この中で取れてない領域がまだまだいっぱいあるので、一つひとつ、取り続けたい。オセロをしているイメージです。

マーケティングテックで四隅をちゃんと押さえて、そこから自分たちで垂直統合型のビジネスができる仕組み、プロダクト開発、ないものに関してはM&Aをしたりして提供していきます。

ものづくりプラットフォームに可能性


新規事業にも積極的で、今後事業領域をどんどん広げていきたいです。

今、クリエイター×ECの事業を始めつつあります。エンターテインメントテック、クリエイタービジネスの一環としてはもちろん進めていきますが、それだけでなく、これから物を作りたい人は増えてくると思うんですよね。それはクリエイターやインフルエンサーだけでなく、一般の個人の方も、中小企業の方々も、どんどん「自分たちでものを作りたい」という流れが来ています。すごいビジネスチャンスがあると思っています。

日本でも「D2C(Direct to Consumer)」が盛り上がっている中で、タイや台湾、他のアジア各国でも、個人がものを作って自分のブランドを持ち、ファンを中心に販売するモデルは、グローバルで盛り上がっています。日本だけでなく、僕らが抱えているアジアのクリエイターやインフルエンサーのものづくりを支援する事業も展開を始めています。

市場の中で大きく何をやるべきかをまず考えて、ソリューションとして、オセロのように「どこを取らなきゃいけないのか」を常に考えています。
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文=林亜季 写真=小田駿一

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