日本標準をはるかに上回る「ROE25%」を可能にする経営術 - 大東建託 代表取締役社長 熊切直美


――ROEだけではなく、配当も破格ですね。

熊切:14年3月期341円、15年3月期は391円を予定しています。現金配当50%、今後も自社株買い30%、総還元性向80%を、継続していきたいと思っています。

――海外の機関投資家の評価も高いようですね。

熊切:おかげさまで、評価していただいています。実は、今は過半数になっていますが、創業オーナーが大株主だった時代でも外国人持ち株比率は40%程度ありましたので、ある意味ガラス張りで、待ったなしの経営をせざるをえないシチュエーションになっていたのです。ガバナンスの面でも、外国人株主が株を手放さないような経営努力をしなければいけません。

今、市場ではコーポレート・ガバナンス(企業統治)の強化が言われていますが、私たちからすれば当たり前のことだという感覚なのです。実際、すでに10人の取締役のうち3人が社外取締役です。社外監査役も4人おり、委員会設置会社に近い。我々は「評価委員会」という名前にし、社外取締役3人と監査役4人、つまり社外の7人のメンバーと私と副社長だけが参加をして、社長の信任と取締役の信任を毎年行っています。

――株主還元のためには、建設コスト上昇という経営環境の中でも利益を上げていかなければなりませんね。

熊切:そのとおりです。幸い私たちには、全国に提携業者様がいます。建設業者の不足については、そうした提携業者様とのパートナープログラムという形で、特に九州・中国・四国などの西のほうのエリアから、関東・東北エリアに応援部隊を送っていただいて対応しています。応援部隊の方々の住居用の宿舎は我々の賃貸物件を使っていただけるのが強みです(笑)

文=鈴木裕也(フォーブス ジャパン)

この記事は 「Forbes JAPAN No.10 2015年5月号(2015/03/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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