ビジネス

2019.12.16 10:00

米中合意で喜ぶラスベガスのカジノ王、86歳で資産4兆円

ラスベガス・サンズ会長兼CEOのシェルドン・アデルソン(右)と妻(Getty Images)

カジノ王として知られるラスベガス・サンズ会長兼CEOのシェルドン・アデルソンは、マカオのカジノの売上が減少したにも関わらず、資産を増やしている。ラスベガス・サンズの株価は今年35%近い上昇となり、12月6日からの1週間のみで8%以上の伸びだった。

現在86歳のアデルソンの保有資産は400億ドル(約4.4兆円)に達している。彼は売上140億ドルのラスベガス・サンズの株式の過半数を保有している。

アデルソンの資産の増加はドナルド・トランプのおかげだ。トランプが12月12日、「中国とのビッグディールの締結までもう少しだ」とツイートすると、ラスベガス・サンズの株価は4%近い上昇となった。

米中の対立は同社のマカオのカジノの売上にダメージを与え、11月の売上は前年比8.5%のマイナスだった。ラスベガス・サンズの売上にマカオが占める割合は、今年の第3四半期において3分の2近くに及んでいた。

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、トランプの最大の支援者に数えられるアデルソンは8月にトランプに電話をかけ、米中の貿易戦争が米国経済に及ぼす打撃や、彼の大統領選挙での再選の危機を警告したという。

トランプの今回のツイートにより、ラスベガス・サンズの競合であるウィン・リゾーツの株価も8%の上昇となった。ウィン・リゾーツもマカオでカジノを運営している。

さらに、マカオに関しては別の良いニュースもある。中国の習近平国家主席は12月18日から20日までマカオを訪問する予定だが、ロイターの報道によると、カジノに依存するマカオ経済を多様化し、金融のハブとするための新たな政策を発表するという。

アデルソンは今年2月に悪性のリンパ腫を治療中であると報道され、決算発表会を欠席していたが、10月に行われた第3四半期決算発表で復帰を果たしていた。アナリストらを前に彼は「私の体調を気づかってくれたみなさんに感謝したい」と話した。

編集=上田裕資

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