電子タバコの健康被害、6割が「THC」を吸引していた事実

Vape/Getty Images

米国では電子タバコの吸引に絡む急性疾患での死亡者が相次いでいるが、健康被害を受けたうちの数名が、「Dank Vapes」と呼ばれる大麻のTHC成分を含むカートリッジを使用していたことが明らかになった。THCは大麻に含まれるハイになる成分で、Dank Vapesは非正規のルートで販売されていた。

ウィスコンシン州とイリノイ州の保健当局が、電子タバコの使用で健康を害した86人に聴き取り調査を実施したところ、66%がTHCを含む電子タバコを使用したと回答し、それらは闇市場で出回る製品だった。さらに、患者の66%がDank Vapesというブランド名で販売されるカートリッジを用いていた。

Dank Vapesはライセンスを受けた企業ではなく、同社のプロダクトは派手なパッケージで販売される非正規品の一部で、オンラインで購入可能だったが、現在は販売サイトが消滅したという。

ただし、保健当局は疾患の原因となった物質をまだ特定できていないという。米CDC(疾病予防管理センター)は先日、電子タバコで健康被害を受けた患者の77%がTHSを含む電子タバコを吸引していたと述べたが、16%はニコチンのみを含む製品を使用していた。つまり、THCの吸引が健康被害をもたらしたと断定はできない。

先日は電子タバコの吸引による13人目の死者が発生しており、米国で発生した電子タバコに絡む健康被害の件数は800件を超えている。

米国のトランプ政権は、フレーバーつきの電子タバコの販売を禁止する動きを進めており、ミシガン州やニューヨーク州、サンフランシスコでは既に禁止されている。一方で、販売店は包括的な禁止措置はユーザーをブラックマーケットに向かわせるだけで、さらに大きな危険をもたらすと反発している。

しかし、CDCは症状の原因が特定されるまでの間は、全ての電子タバコ利用を控えることを勧めている。

編集=上田裕資

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