ビジネス

2019.09.05

ユニクロ柳井会長、「CEO職には女性のほうが適任」発言

(Photo by Marc Piasecki/Getty Images)

ユニクロの創業者でビリオネアの柳井正は、自身の後継者に女性を選ぶ可能性について言及した。現在70歳の柳井が社長兼会長を務めるファーストリテイリングは、ユニクロの親会社で、柳井とその家族は同社の発行株式の44%を保有している。柳井らの保有資産をフォーブスは290億ドル以上と試算している。

9月4日のブルームバーグの記事によると、柳井は会社のトップとなる人材には「女性のほうが向いている」と述べ、女性たちは「忍耐強く、細かな点に配慮し、美意識を備えている」と述べた。

ファーストリテイリングの2018年8月期の営業利益は2362億円に達し、過去最高の業績を記録した。柳井の後継者候補については、様々な名前が囁かれている。

同社は9月3日、今年8月のユニクロの国内既存店売上高が前年同月比9.9%増となったと発表した。しかし、アジアでの売上が好調な一方、米国での事業拡大は停滞気味だ。

ユニクロは2011年にニューヨーク5番街に旗艦店を開設し、2013年のIR資料では「近い将来に西海岸と東海岸それぞれに、100店舗のチェーン展開ができるのではないかと考えている」と述べていた。しかし、現在の米国での店舗数は約50店だ。

日本の安倍晋三首相は労働人口の減少のなかで、職場の環境を改善し、女性幹部の比率を引き上げていくことが重要だと述べた。しかし、世界経済フォーラム(WEF)の2018年版「ジェンダー・ギャップ(男女格差)レポート」で、日本は149カ国中110位だった。

また、日本の男女間の賃金格差は大きく24.5%となっている。これは、OECD加盟国中、韓国に次いで2番目に大きい数字だ。

IMFは2019年のレポートで、日本では「男女格差の改善に向けた進歩が見られない」と述べ、現在の状況を「悲惨だ」とした。

柳井の後継者の最有力候補とされるのが、今年6月にユニクロの日本事業のCEOに抜擢された、赤井田真希だ。ブルームバーグの取材で、赤井田を後継者に指名する可能性について聞かれた柳井は、「あり得る」と述べた。

編集=上田裕資

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