ビジネス

2019.08.14

社会課題解決に挑む!日本のインパクト・アントレプレナー35 Part 1

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7. 介護をデータ化し介護費削減
石山 洸|エクサウィザーズ(設立 2016年2月)

AIを活用することで、形式知化の難しい「認知症ケアの熟練者の技」を誰もができるようになるプログラムを構築。熟練者のケア技術とその効果をAIで分析し「よい介護」を数値によって明確に定義。この「よい介護」を、全国の介護士にAIがコーチングする仕組みだ。誰もが最速で一流の介護ができるようになることで、激増する「介護の量」と「介護士不足」の解決に挑む。

8. 世界初、台風下でも動く風力発電
清水敦史|チャレナジー(設立 2014年10月)

クラウドファンディングで目標の2倍となる400万円超の支援を集め、台風並みの強風下でも安定した発電が可能な「プロペラのない風力発電機」を独自開発。台風が多く発生する国内の離島地域や、フィリピンなどの新興国における普及を目指す。本年4月に同社過去最大となる約5億円を調達。2020年の量産販売開始に向け、大企業らと共同で沖縄やフィリピンでの実証実験を進めている。

9. 世界約2.5億人のロービジョン者に光を
菅原 充|QDレーザ(設立 2006年4月)



目の網膜に直接画像を投影する新技術「VISIRIUMテクノロジー」を用いて、極度の近視や、角膜に障がいがある人の視力を補助できるメガネ型装置を開発。国内150万人・経済損失8兆円、世界約2.5億人のロービジョン者に光を届けることを掲げる。国内の臨床研究では白内障患者などの視力が0.4〜0.7になったという。治験は終了しており、医療機器として本年度中の商品化を目指す。

本年4月に東京センチュリー、アクサ生命保険、Nikon-SBI InnovationFundらから36.6億円を調達しており、累計調達額は42億円以上。同社は菅原氏が富士通研究所から2006年にスピンオフしたスタートアップで、12年から本技術の研究を始めた。

10. 世界の「歩く」を助ける電動車いす 
杉江 理|WHILL(設立 2012年5月)



高機能かつ高いデザイン性をもつ電動車いす「WHILL(ウィル)」を開発。電気走行のため環境への負荷が小さく、小回りがきいて段差や坂道でもスムーズに走れ、ソフトウェアとも連携できる「次世代パーソナルモビリティ」として、北米や欧州にも販路を拡大している。

本年6月からは月額レンタルをスタート。観光施設や遊園地、ショッピングモール、美術館などのレジャー施設向けに、障害のある人だけでなく、高齢者をはじめ長距離の歩行が難しいさまざまな人が利用できる「ラストワンマイルの乗り物」を提供する。月額費用は1台あたり2.3万円。本社は米国カリフォルニア州。日本・米国・台湾を拠点に製造を行う。従業員は約70人。

<アドバイザリーボード>
井上 浄 リバネス 代表取締役副社長CTO
重富 渚 グローバル・ブレイン インベストメントグループ
白石智哉 ソーシャル・インベストメント・パートナーズ 理事
工藤七子 社会的投資推進財団 常務理事
黒越誠治 デジサーチアンドアドバタイジング 代表取締役 
高塚清佳・黄 春梅 新生企業投資 インパクト投資チーム
荻原国啓 ソーシャルアントレプレナーズアソシエーション 代表理事
柳澤大輔 面白法人カヤック 代表取締役CEO

文=Forbes JAPAN編集部

この記事は 「Forbes JAPAN 社会課題に挑む50の「切り札」」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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