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2019.02.09 15:00

名作モデルがアップデート 進化する腕時計とブランドヒストリー|Vo.2

BREITLING Navitimer 8 B01 Chronograph 43

一見、停滞してそうに見えるが、スマートウォッチや新素材のモデルが次々と出てきて、時計界は相変わらず元気である。2018年も意欲的な新作があり、その進化はまだまだ止まらないようだ。


11/20 BREITLING Navitimer 8 B01 Chronograph 43

今年は、ブライトリングを象徴するモデルのひとつである「ナビタイマー=ナビタイマー1」と同じ名を持つ、新しい腕時計が誕生した。「ナビタイマー8」と命名されたこのモデルは、“ナビタイマー”の象徴であった航空計算尺がついてないことから、ダイヤルがスッキリしており、精悍な印象となっている。

モデル名についている「8」は、軍民両用のコックピット計器やクラシックなパイロットウォッチを製造するために、1938年に設立された8(ユイット)・アビエーション部門に由来し、その原型は、ナビタイマー1よりも古い。このホワイトのインダイヤルを持つ、ツートーンカラーのモデルには自社製ムーブメントが搭載されている。

ケース素材:ステンレススティール
ケース径:43mm
ムーブメント:自動巻きキャリバー01
価格:83万円
問い合わせ:ブライトリング・ジャパン 03-3436-0011


1884年に誕生したブライトリングは、創業当初からストップウォッチと懐中型クロノグラフの製作に力を注ぐ。1915年に世界初の専用プッシュボタン付腕時計型クロノグラフを発表。34年にはクロノグラフをリセットする専用ボタン開発している。つまり、現在人々が親しんでいる2つのプッシュボタンを備えたクロノグラフ機構はブライトリングによって発案された。初代「ナビタイマー1」は52年に誕生している。

12/20 BAUME & MERCIER Clifton Baumatic

ボーム&メルシエが、今年、新たなる一歩を踏み出した。これまで手を付けることがなかったムーブメントを開発し、“クリフトン”に搭載したのである。ムーブメントは、リシュモングループのムーブメントメーカー、ヴァルフルリエとリシュモン開発チームとの協力体制において開発された。

改良された合金製バレル、PowerscapeTMテクノロジーを採用したシリコン製エスケープメント、TwinspirTMテクノロジーをとりいれたシリコン製ヒゲゼンマイによって、120時間(5日)のパワーリザーブや日差-4/+6秒という精度を獲得。さらに、現代社会の大敵である磁気への対策も抜かりなく、使用された部品は1500ガウスの磁場にも耐えられ耐磁性を備えている。

ケース素材:ステンレススティール
ケース径:40mm

ムーブメント:自動巻き ボーマティック
価格:30万5000円
問い合わせ:ボーム&メルシエ 03-4461-8030

1830年にルイ=ヴィクトールとセレスタンのボーム兄弟により創業されて以来、「妥協を許すことなく、最高品質の作る」ことをモットーに188年の歴史を重ねてきた老舗時計ブランドである。時代を意識したデザインは秀逸で、いつの時代も常にトレンドを牽引してきた。また、手の届きやすい高級ウォッチを提供することを心掛けており、価格がリーズナブルなのもこのブランドの大きな特徴のひとつである。

13/20 JAQUET DROZ
Grande Seconde Moon Black Enamel

創業者ピエール-ジャケ・ドロー氏が作成した”懐中時計”からインスピレーションを受けたダイヤルデザインは、縦にインダイヤル、セコンド表示を並べた独特のもの。ジャケ・ドローの大きな特徴となっている。ダイヤルに描かれた無限と永遠の象徴である「8」は、ジャケ・ドローにとっても重要なシンボルである。

この新作は、下部のダイヤルにセコンド表示、日付表示とともに22金の彫金細工によるムーンフェイズを備えている。ダイヤルは、ジャケ・ドローが得意とするブラックのグラン・フーエナメル。漆黒のダイヤルカラーとレッドゴールドとのマッチングがとても美しい。ムーブメントにはシリコン製の脱進機が使われ、精度も向上した。

ケース素材:18Kレッドゴールド
ケース径:
43mm

ムーブメント:自動巻き キャリバー JAQUET DROZ 2660QL3
価格:314万円
問い合わせ:ジャケ・ドロー/ジャケ・ドローブティック銀座 03-6254-7288

ピエール-ジャケ・ドローが1738年にラ・ショー・ド・フォンに時計工房を開業したのが始まり。その後、アンリ・ルイ-ジャケ・ドローとジャン-フレデリック・レショーがジャケ・ドロー&レショー社を設立したが、その後休眠。再び1995年にフランソワ・ボテの手によって復興。現在はスウォッチ・グループの傘下に入り、ジャケ・ドローの伝統と革新的精神を継承しながら、機械式時計の新しいスタイルに挑戦している。

14/20 CARL F.BUCHERER Manero Tourbillon Double Peripheral

カールF.ブヘラは、2008年に自社開発の自動巻きムーブメントを開発するのだが、それが当時どの時計メーカーも成し得てなかった、リング型のぺリフェラルローターを採用したものだった。以降、カールF.ブヘラの特徴のひとつとなっている。

そのコンセプトをトゥールビヨン機構に取り入れたのが、このモデルである。脱進機を収めた環状のケージを、自動巻きローターと同じく3つのべアリングで支えているので、機構が宙に浮かんでいるように見える。トゥールビヨンの新しいスタイルともいえるだろう。トゥールビヨンは12時位置に配され、毎分一回転するケージに取り付けた針は秒針としても機能する。COSC公認クロノメーターである。

ケース素材:18Kローズゴールド
ケース径:43.1mm
ムーブメント
:自動巻き キャリバー CFB T3000
価格:840万円
問い合わせ:ブヘラジャパン 03-6226-4650

カールF.ブヘラは1888年にカール・フリードリッヒ・ブヘラによってスイスのルツェルンに時計宝飾店として誕生した。本格的に時計ブランドとして立ち上がったのは2001年。以来、実用的な時計作りを標榜し、安定した機械、派手さはないが「格好いい」と思えるデザイン、そしてリーズナブルなプライスを実践してきている。販売店として培ったユーザー目線を受け継いだ一流の目は、開発される腕時計に反映されている。
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text by Ryoji Fukutome

この記事は 「Forbes JAPAN 日本の起業家」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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