米国の歴代大統領に学ぶ、時間の有効な使い方

バラク・オバマ前大統領(Zbigniew Bzdak/Chicago Tribune/TNS via Getty Images)

オバマ前大統領には在任中、仕事用の「制服」があった。灰色か青色のスーツしか着なかったのだ。オバマはヴァニティ・フェア誌に対し、その理由は日々下さなければいけない決断を減らすためだったと語っている。

「私は決断する回数を減らそうとしている。食べるものや着るものについて、決断したくない。他に決断すべきことがあまりに多いから」

決断はどんなものでも多少の時間と精神的な努力が必要であり、政界や実業界の有力なリーダーたちは、自分の時間という最も貴重な資産を守る必要に迫られている。

世の経営者は、歴代大統領のユニークな働き方から多くのことを学べる。例えばルーズベルト元大統領は、その超人的な生産性で有名だった。朝食前に本を数冊完読していたとされ、自身の著作も50冊ある。

ルーズベルトは勉学でも優秀だったが、周囲よりも長く勉強しているようには見えなかった。その代わり、非常に短時間で集中して取り組み、またその間は妨げとなるものを全て締め出すことに長けていた。

雑音を締め出すのがうまかったのは、ルーズベルトだけではない。アイゼンハワー元大統領は1954年の演説で、「現代人のジレンマ」として、ノースウェスタン大学のJ・ロスコ―・ミラー学長による次の言葉を紹介した。「私には2種類の問題がある。緊急なものと重要なものだ。緊急なものは重要ではなく、重要なものは決して緊急ではない」

そしてアイゼンハワーは、効率性が向上する、シンプルな4つの四角形からなる表を作ったとされる。「アイゼンハワー・マトリクス」あるいは「緊急性・重要性マトリクス」と呼ばれるこの表では、やるべきことを全てリスト化し、ひとつずつ表に配置していく。これにより、忙しい人が最初に取り組むべきもの、他の人に任せるべきもの、時間の無駄になるものについて判断できる。ルールは次のとおりだ。

・緊急かつ重要:自分で今すぐ対応する
・重要だが、緊急ではない:自分でやるが、後回しにする
・緊急だが、重要ではない:他の人に任せる
・緊急でも重要でもない:排除する



この方法が効果的な理由は、緊急の仕事によって重要な仕事が後回しになってしまうことが非常に多いからだ。やることリストを徹底的に見直し、行動に移す前にストレステストにかければ、意味のない仕事や、他の人が(もしかしたら自分よりうまく)できる仕事で自分の時間を無駄にせずにすむ。
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編集=遠藤宗生

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