ライフスタイル

2019.02.24 16:00

実用的で手が届く、大人向けの究極のグリーンカー ホンダ・インサイト

自動車からエンジンが失われてデザインの自由度ははるかに高くなった、根強く残るカーデザインの記号性とのせめぎあいから、新たな車が生まれる。

HONDA:厳しい排ガス規制のなかでも評価される“グリーンカー”


ロサンゼルス・ショーの目玉のひとつである“グリーンカー・オブ・ザ・イヤー”に、3代目となるホンダ「インサイト」が輝いた。世界有数の厳しい排ガス規制を敷くカリフォルニアで“グリーンカー”として認められることには、大きな意味がある。

特にホンダは、カリフォルニアの厳しい排ガス規制に早くから対応してきた。1970年に有名な”マスキー法”が施行されるとまもなく、世界に先駆けて「CVCC」なる排ガス対応エンジンを搭載した「シビック」の発売にこぎつけた。

さらに、2005年に渋滞緩和のために設けられている2人乗り以上のクルマのみが走れる“カープール・レ ーン”をエコカーが走行できると決まった際にも、ホンダは真摯な姿勢で対応した。認定されたハイブリッドカー3車種のうち、初代「インサイト」を含む2車種がホンダ車だったのだ。 

極端に燃費を意識して、軽量化と空力に重きをおいて開発された2人乗りクーペだった初代に対して、2代目ではより実用的な5ドア・ハッチバックとなった。3代目では、リチウムイオン電池をリアシート下に収納し、室内空間を狭めずに、実用的ミッドサイズの4ドア・セダンへと変容した。

新型「インサイト」は、断然、スポーティなホンダらしいスタイリングになっている。エンジンルーム内にあった12Vバッテリーを室内に移動したことで、低く、ワイドなフォルムを実現した。ムダなラインを省き、フロントからリヤエンドまでつながる伸びやかなラインを活かし、豊かな面を生むことで、シンプルでクリーンなシルエットにまとめた。 

究極の燃費カーを目指してダイエットに勤しんだ初代と比べると、実用的で乗り心地がよく、大人向けのスタイリングに仕上げられている。2万ドル前半の手が届く価格帯で、55MPGの低燃費と実用性とあわせて、ホンダらしい疾走感にあふれるスポーティ・セダンが手に入ることを、大いに歓迎したい。


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#11|19年、満を持して発表予定。鮮やかなイエローが旗印のMINI ピュアEV
#12|実用的で手が届く、大人向けの究極のグリーンカー ホンダ・インサイト
#13|中国の「テスラ・イーター」は? 続々台頭するEVスタートアップ
#14|自動運転機能を搭載し、とうとう「レベル3」に挑戦したーアウディ A8

文=川端由美

この記事は 「Forbes JAPAN 世界を変えるデザイナー39」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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