日焼けに関する5つの真実 「健康的な日焼け」はあり得ない?

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・ 白人以外にも発がんリスク

白人の方がその他の人種よりも、皮膚がんを発症するリスクが高いのは確かだ。例えばアフリカ系米国人は、DNAの損傷を防ぐメラノサイト(色素細胞)やメラノソーム(細胞質内の色素顆粒)をより多く持っている。

ただ、それによって皮膚がん発症のリスクが完全になくなるわけではない。アフリカ系やアジア系、カリブ系には、手のひらや足底などに発生することが多い末端黒子型メラノーマの発症率が高い。

ジェイコブによると、このタイプのメラノーマには遺伝的リスク要因がある。家族に罹患者がいる場合は、変わったホクロ、シミ、しこりなどを注意深くチェックする必要がある。

・ 日光にも「中毒性」がある?

日焼け用のタンニングベッドが広く普及し始めたのは、1970年代だ。研究者らによれば、最近になって中年女性を中心にメラノーマの発症率が上昇しているのは、若いころの習慣が原因となっている可能性があるという。

こうした見方の根拠になっているのは、マウスを使った実験で「日光に繰り返し曝露されると、体にヘロインと同様の効果をもたらす神経伝達物質のエンドルフィンが分泌されると考えられる」との結果が示されたことだ。だが、マウスは夜行性の動物であり、通常は毛で覆われている。この結果のヒトとの関連性については、疑問視する声も上がっている。

ただ、太陽の光を存分に浴びた休暇の後に落ち込んだ気分になったことがあるというなら、それはあなたが少し“日光中毒”気味になっていたことが一因なのかもしれない。

・ 日光の浴び方で危険度に違い

私たちのほとんどは、日中の大半を屋内で過ごしている。また、冬の間は寒さを防ぐために、体の大半を覆い隠している。つまり、私たち日光への曝露は、年に数週間という短い期間に集中することになる。これは、皮膚と皮膚がんの発症率にどのような影響を及ぼすのだろうか。

ジェイコブは、「短期間の断続的な日光への曝露は、毎日数分の曝露より有害だと考えられる。例えば、長期にわたってほとんど日光を浴びていない人が、あるとき5日間連続して日光にさらされることは、非常に危険だ。細胞が自己修復する時間が与えられないためだ」と説明する。

日光を浴びることについて気を遣っている人でも自分で考えている以上に、大きなダメージを受けているのかもしれない。

編集=木内涼子

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