ビジネス

2018.07.20 15:00

シリコンバレーと世界のギャップを埋める、女性起業家の挑戦

エンジェル・ハックCEO サビーン・アリ

「イノベーションはシリコンバレーだけで生まれるものではありません。次のiPhoneはどこから生まれるか分からないからこそ、多様な考え方や文化、スキルを持つ人が必要です」

サビーン・アリが2011年に設立したエンジェル・ハックは、世界最大級の多様性を誇るハッカソンを開く。

アリの両親はパキスタン生まれ。4歳の時に医師の父親が亡くなり、専業主婦だった母親は3人の子どもを育てながら起業した。

ハッカソンは毎年、世界約50の都市で開催され、プログラマーやデザイナー、ビジネスパーソンがチームを組み、限られた時間内で最もイノベーティブなプロジェクトを開発する。各都市の優勝チームはスタートアップ養成プログラムを受け、シリコンバレーで投資家に会う機会を与えられる。

1万以上のプロジェクトが生まれ、有名VCから億単位の投資を受けた起業家も複数出た。当初4%だった女性参加者の割合は約20%まで増加。50%まで高めようと、ハッカソンでは珍しい行動規範の策定やより女性が参加しやすいイベント作りもする。

エンジニアとNPOをマッチングする団体の代表も務める彼女は「本当にクールなプロダクトは世界の社会構造も変えられる」と話す。


サビーン・アリ◎サンフランシスコ州立大学卒。コンサルティング会社勤務を経て、自宅ガレージでチームビルディングの会社を起業し、売却。2011年にエンジェル・ハックを設立した。女性起業家としての自身の経験を積極的に発信。二児の母。

文=成相通子 写真=帆足宗洋

この記事は 「Forbes JAPAN 「富を生み出す人」の秘密」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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