ビジネス

2018.06.16

全米最難関のエリート大学生も解けない「電通の入社テスト」とは


シリコンバレー式の解答は、どう評価される?

「ワーオ、これは想像していなかった(笑)。ここで見たかったのは、1問目で皆に教えたことを、どう行動に移すかということ。本当はチームごとに競って欲しかったんだけど、皆がひとつのチームになって買ってきたスナックや飲み物は、会議出席者全員が満足すること間違いなし。全員で一致団結した判断に拍手!」

ナージャは困惑しながらも嬉しそうに結果発表をした。講義終了後に彼女に話を聞くと、やはりこの回答が一番印象に残ったらしい。

「私が今回彼らに学んで欲しかったことは、物事には人それぞれのやり方があるということ。私みたいな性格の人間には、アメリカのような個々の強い自己主張が求められる国よりも、相手を一番に思いやる謙虚な姿勢も評価される日本の方がやりやすい。だから私は今、日本で働いているんです。

世界中から学生が集まるミネルバ大学で勉強をしているけど、アメリカで生活しているから自分もアメリカナイズされたように思う、と話す学生もいました。それはそれでいいけれど、やり方はひとつではない。その人の個性にあったやり方が絶対にある。私は彼らが持っているかもしれない思い込みをぶち壊すことができればと思ったんです。

日本ならではのやり方を教えた彼らの吸収はとても早かった。そして、シリコンバレーの学生らしく、こちらが作ったルールを壊して、課題解決のための最適な解答を示してくれた。さすがでした。彼らが次回、どんな回答とともに講義に参加してくれるのか、今から楽しみです」

この日の講義は、彼らの滞在期間のほんの序盤だ。2回目となるナージャの講義は7月17日に予定されている。その時、彼らは講義の最後に提示された課題の回答とともに出席することになっている。



日本で生活をするあなたはどんな言葉を選ぶか。それを選ぶ理由は? そして、現在最も進んだ教育を受けるミネルバ大学の学生たちの答えは……? 第2回の講義の様子も7月にレポートする。

文=Forbes JAPAN編集部 写真=八木竜馬

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