モバイルゲームのプラットフォーム「Go|Games」は東南アジアの6カ国で急成長を遂げ、会員数は60万人に達している。運営元はミャンマー本拠の「Goama」で、同社CEOのTaro Arayaは今後、年内にフィリピンやインド、ベトナムやロシアへの進出を計画中だ。
Go|Gamesのサービスはインドネシアやミャンマー、バングラデシュを含む東南アジアの6カ国で利用可能で、ユーザーは携帯の電話番号をSMSで送信するだけで、定期的に入れ替わる約400のゲームにアクセス可能になる。
「このビジネスを立ち上げるにあたり、通信キャリアとの提携は必須のことだった」と運営元のArayaは話す。現地の通信企業「Telenor Group」や「Axiata Group」とのパートナーシップにより、Go|Gamesで配信されるアプリのオンライン決済やアプリ内決済が可能になった。利用者は一日あたり0.05ドル程度の少額決済も、キャリア経由で行える。
東南アジアのゲーム市場で勢力を増すのが中国企業だ。「王者栄耀(Honor of Kings)」を世界的なヒットに育てたテンセントは、モバイルゲーム市場でトップに立った。Goamaは「カートゥーン ネットワーク」や「Kiloo」「スクエアエニックス」などの大手と契約を結んだが、中国のテンセントや「NetEase」とは提携を結べていない。
今後のGoamaにとって強力なライバルになり得るのが日本の任天堂だ。同社はニンテンドースイッチ向けのサブスクリプションサービス「Nintendo Switch Online」を今年9月に開始し、年額19.99ドルでプレイし放題になるサービスを提供しようとしている。
また、マイクロソフトもデバイスをまたいだサブスクリプション型サービスを展開する計画だ。今年3月、同社ゲームクラウド部門のKareem Choudhryはニュースサイト「The Verge」の取材に対し、「世界には約20億人のゲーマーたちがいるが、我々のゴールはその全員にリーチすることだ」と述べていた。
東南アジアのゲーム市場は今後、巨大な成長が期待される。インドネシアやフィリピンでは、オンライン決済の浸透とともにゲーム人口の急拡大が見込まれる。
しかし、この市場でマイクロソフトのような大手は苦戦するというのがArayaの見立てだ。東南アジアのゲーマーらは独特の好みを持ち、言語の壁の問題も大きいと彼は話す。
「マイクロソフトなどの大企業にとって、新興国の市場はまだ規模が小さ過ぎるため、彼らは市場を理解する努力を行なわないはずだ。そんな中で、我々は非常に有利なポジションにいる」とArayaは述べた。