ライフスタイル

2018.06.17 11:00

畑とレストランが一体化、新時代の美食は「グリーンハウスの中」で




コースのみ、にこだわる理由

レストランスペースは天井が高く、かつ全面ガラス張りのため、味わったことのないような開放感に溢れます。内装デザインやインテリアも洗練されており、よくありがちな社会活動的堅苦しさは微塵も感じさせません。スマートな印象のゲストたちが、優雅に食事を楽しんでいます。

施設内にはソーラーパネルが設置され、電力もほぼ自分たちでまかなうなど、環境への配慮は完璧の域。レストランのすぐ横にあるキッチンは、気軽に覗き込むこともでき、そのライブ感もまた食欲をそそります。

ディナーのレベルの高さも相当なもの。どのメニューもクリエイティビティが発揮され、オーガニック食材が持つ力を最大限に引き出したされていました。コースを一通り食べてもまったく重さはなく、体にやさしい料理であることを体感させられます。



メニューはコースのみ、5皿で7000円ほど。ワインもあらかじめ料理に合うよう厳選されたものがラインアップされています。

「オープン当初、『コースだけなんて強気すぎないか』という声もあったんですが、やはりその時々にとれたベストな食材を提供したかったので、コースのみにこだわったんです。これで、日々良し悪しが変わる食材を使いつつも、いつも一番良いものを出すことができるのです」とハーへマン氏。

飾ることなく食材本来の味わいを目一杯楽しんでもらいたい、という想いがここからも伝わってきます。De Kasはその実力からオランダの「ベストビオレストラン」にも選ばれており、店内にはトロフィーも飾ってありました。

マジックアワーのDe Kasは魅力が倍増
 
De Kasの素晴らしさは、時間とともに増していきます。夕暮れ時にはサンセットがグリーンハウスのガラスに写り込み、なんとも美しい光景が広がります。また陽が落ちるとレストランがまるで水面から浮き上がったかのように、幻想的な雰囲気を醸し出します。


夕暮れ時には夕焼けが見事にガラス面に映り込み、美しい光景が広がる。

最高に心地の良い空間で、その場でとれたオーガニックの野菜を美しい盛り付けの料理で堪能できる。完璧なトレーサビリティ、自家栽培による地産地消を実現し持続可能な体制が整うDe Kasのようなレストランは、今後世界の美食のシーンでも存在感を増していきそうです。

「DE KAS」
住所 : Kamerlingh Onneslaan 3 1097 DE Amsterdam
電話 : +31 (0)20 4624562

連載 : クリエイティブなライフスタイルの「種」
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文=国府田淳

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