テクノロジー

2018.04.30 10:30

ビヨンセと同じ食生活ができる「22デイズ」、AIで食の未来を支援

(Photo by James Devaney/WireImage)

ビヨンセは先ごろ米国で開催された音楽フェス「コーチェラ・フェスティバル」に出演、昨年双子を出産して以来、初となる大舞台でのパフォーマンスを披露した。彼女はこの日から44日前、インスタグラムで「ビーガン(完全菜食主義者)に切り替える」と発表していた。

ビヨンセはその際、自身のプロフィールに、ビーガン食の宅配サービス「22デイズ・ニュートリション」の「ミールプランナー(献立表)」のリンクを追加した。22デイズはビヨンセと夫のジェイ・Zが2015年、健康・ウェルネスの専門家で数多くの著名人を顧客に持つトレーナー、マルコ・ボージェスとともに立ち上げたビジネスだ。同社のサイトを利用すれば、誰でも彼女のような食生活を送ることができる。

ビヨンセは、「(食生活をビーガンに切り替えたことで)エネルギーが増し、睡眠が改善し、体重が減り、消化機能も改善された。より快活になり、自分の行動とそれが周囲の人たちや環境に及ぼす影響について、驚くほど前向きな気持ちになることができた」と語っている。

22デイズのミールプランナーは、私たちが一見して持つ印象以上の重要性を持つ。大げさに聞こえるかもしれないが、ビヨンセは未来の「パーソナライズされた食事」を確立したのかもしれない。そして、さらに重要なことは、夫妻が健康的な食事と専門家の指導について、「一部の少数の人たちだけではなく、全ての人が手に入れる権利を持つもの」だと考えていることだ。

テクノロジーが支える食生活改善への努力

22デイズはユーザーに、一つのサイトで食事に関する一週間の計画と買い物、調理方法の確認を行うことを可能にする。メニューは全て、ボージェスが勧める食事の内容に合わせて栄養士が考案。夫妻が取り入れているのと同じ基準でつくられたものだ。また、インスタカートとピーポッドによるデリバリーの利用も可能だ。

ステージ上のビヨンセを見て刺激を受け、彼女と同じような食事がしたいと思った米国内の消費者はその気持ちが消えてしまう前に、自分に必要なだけの量を注文し、自宅まで届けてもらうことができる。

「未来の食事と買い物」を実現する上で、人工知能(AI)は今後、ますます重要なツールになると考えられる。22デイズのようなプラットフォームは機械学習によって、米社会に存在する障害(食品砂漠、個人向けのソリューションの欠如など)とは一線を画し、人々の健康的な食事を支援することができる。

ユーザーはそのほか、食事に関する専門のコーチの指導や調理方法を説明する動画、その他のさまざまなサポートサービスを利用することができる。食事に関して必要な全てが一つの回路に接続されたシステムが存在する、新たな時代への第一歩が踏み出されたと言える。

ただ植物を中心とした食事は健康に良いと訴え、多くの人がそうした食事を取り入れる方法を自分で見つけてくれることを願うのではなく、ミールプランナーはユーザーの経験と行動の変化についても考慮し、新しい習慣を身に付けていくための手助けをする。5年前には実現不可能なことだっただろう。だが、10年後にはごく一般的なことになっているかもしれない。

誰もがより健康的な食生活を目指している。人々が健康と活力、より良いパフォーマンスの実現に向けて習慣を変えるための支援において、テクノロジーは欠かすことのできない役割を果たすことができる。

編集=木内涼子

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